フライトデッキおよびフライトコントロール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 01:56 UTC 版)
「ボーイング737MAX」の記事における「フライトデッキおよびフライトコントロール」の解説
フライ・バイ・ワイヤの採用も拡大する予定だが、オルボーによると変更は限定的であるとのことで、スポイラーにのみフライ・バイ・ワイヤを取り入れている。 操縦特性向上システム (MCAS: Maneuvering Characteristics Augmentation System) 737MAXシリーズで新たに追加された機能であり、機体の操縦特性を改善し、迎え角が大きいときまたは機首が極端に上向きの状態になるとき、水平尾翼を自動で調整する機能。型式証明認証プロセスで飛行試験が実施され、通常飛行ではMCASは機体制御の動作を行うことはないと説明されている。 737MAXにおいて採用されたLEAP-1エンジンを取り付ける際、地面とのクリアランスを確保するためエンジンナセルを上方および前方に移動させた。エンジンの取り付け位置が移動した影響で、737MAXは大迎え角時にピッチアップ方向に向かう機体特性をもつことが指摘された。MCASは、この機体特性を補正するために採用され、大迎え角時に水平安定板を機首下げ方向に切る。なお、当該機体は仰角センサーを2個もつが、従来の737MAXでは片方の仰角センサーに対応して水平安定板を制御する仕様になっていた。この仕様はソフトウェアの改修で両方を参照するように変更され、センサーの値に差が出た場合には警告を発するようになっている。 相次ぐ737MAXの墜落事故にはこのシステムの不具合が関連していると考えられている。エチオピア航空の737MAX型機の墜落事故に先立って、複数のパイロットからFAAにMCAS特有の機首下げによって操縦不能に陥るという問題が報告されていた。ライオン・エア610便墜落事故とエチオピア航空302便墜落事故で墜落した737MAXは、墜落寸前、両機とも水平安定板が機首下げ方向一杯に切られた状態であった。 ボーイングは機体の安全性について問題はないとしていたが、2019年4月までにソフトウェアの改修を行うとしている。4月4日に、ボーイングは2度の墜落事故の原因が「いずれも制御システムの誤作動だった」と認めた。
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