フウセンキンメとは? わかりやすく解説

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フウセンキンメ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/29 18:05 UTC 版)

フウセンキンメ
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: キンメダイ目 Beryciformes
: キンメダイ科 Berycidae
: キンメダイ属 Beryx
: フウセンキンメ B. mollis
学名
Beryx mollis
Abe1959[1]
和名
フウセンキンメ

フウセンキンメBeryx mollis)は、キンメダイ目キンメダイ科に属する深海魚[2][3]

分類

1959年阿部宗明によって新種記載された[1][4]。学名の種小名の mollis は「柔らかい」という意味である[5]

キンメダイ属にはキンメダイナンヨウキンメ、フウセンキンメの3種があり、かつてはフウセンキンメをキンメダイの新参同物異名とする研究者もあったが、形態および遺伝的に区別できることから現在では別種として扱われている[6][7][注釈 1]

分布

相模湾東シナ海琉球列島ベトナム沖、西インド洋北部の、水深100から500メートルの大陸棚縁辺域に分布する[5]。キンメダイと分布域が重なるが、フウセンキンメのほうがより低緯度に分布の中心があると考えられている[8][9]

特徴

体長は30センチメートル前後になる[10]。キンメダイ科の魚のにはタペータムがあり光が反射すると金色に光って見える[11]。和名のフウセンキンメは、釣り上げたときに風船のように膨らむことに由来する[5]

キンメダイよりも体高がやや高く[12]、キンメダイ属の特徴である涙骨棘がキンメダイよりも明瞭であり、後鼻孔が楕円形(キンメダイは細い)[注釈 2]、体の背部の鱗の後縁が鋸歯状(キンメダイは滑らか)、背鰭の軟条数が12から13で通常は13(キンメダイは13から15で通常は14)、幽門垂数が20以下(キンメダイは27以上)などの違いによりキンメダイとは区別できる[2][13]

利用

食用として流通しており、キンメダイと見分けにくいため市場では区別されずに取り扱われていることが多い[10][12]。キンメダイよりも脂がのっているともいわれ「トロキンメ」「アブラキンメ」の別名もある[12]

鹿児島市中央卸売市場ではキンメダイを「長きんめ」、フウセンキンメを「ばけきんめ」、ナンヨウキンメを「平きんめ」と称して区別して扱っており、2015年の取扱量はキンメダイが79トン、フウセンキンメが1トン、ナンヨウキンメが17トンであった[14]

脚注

注釈

  1. ^ 『釣り人のための遊遊さかな大図鑑』(2007年)によれば、1993年に林公義が本種を有効種とした[4]
  2. ^ 『日本の深海魚図鑑』(2024年)では、フウセンキンメの後鼻孔が細長く、キンメダイが楕円形となっている[3]

出典

  1. ^ a b Beryx mollis Abe, 1959”. WoRMS. 2025年2月20日閲覧。
  2. ^ a b 日本魚類館 2020, pp. 174–175.
  3. ^ a b 日本の深海魚図鑑 2024, p. 90.
  4. ^ a b 遊遊さかな大図鑑 2007, p. 370.
  5. ^ a b c 日本魚類館 2020, p. 175.
  6. ^ 武内 2014, p. 18.
  7. ^ キンメダイの資源生態と資源管理 2017, p. 4.
  8. ^ キンメダイの資源生態と資源管理 2017, p. 5.
  9. ^ 武内 2014, p. 20.
  10. ^ a b フウセンキンメ”. ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑. 2025年2月20日閲覧。
  11. ^ 日本魚類館 2020, p. 174.
  12. ^ a b c サカナト編集部 (2024年2月3日). “日本にいる3種類のキンメダイ 見分け方や味の違いは?”. サカナト. 週刊釣りニュース. 2025年2月20日閲覧。
  13. ^ 武内 2014, pp. 18–19.
  14. ^ キンメダイの資源生態と資源管理 2017, p. 26.

参考文献




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