ビブラートとトレモロの違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/18 14:44 UTC 版)
「ビブラート」の記事における「ビブラートとトレモロの違い」の解説
器楽演奏ではトレモロは断続的かつ周期的に同じ音の発音を繰り返すことであり、連続的に揺れるビブラートとは区別されるが、楽器の種類によっては境界が曖昧となることもある。 歌唱においては、古典声楽ではトレモロをあまり用いないこともあってか、質の悪い揺れをビブラートと区別してトレモロと呼ぶ場合がある。これは本来の、演奏手法を指すトレモロとは全く別な物である。 日本耳鼻咽喉科学会による定義では ビブラート(震音) 人間の声は定常的な持続発声を行っても、その高さと強さに多少の変動がある。この変動が規則的でしかもある範囲のものであると、聴覚印象的に音の響きは豊かで望ましいものとなる。このような音声の変動現象をビブラートという。その範囲は、例えば高さの変動分では、声の高さによって異なり、低い音では1秒間に3 - 5周期程度、高い音では6 - 10周期程度が好ましいという。 トレモロ(顫音) 定常的な発声をしようとした場合、その声の高さと強さに、不規則なしかも大きい変動(その範囲がビブラートの場合より大きく、一般に不規則である)を伴う現象をトレモロという。(因みに、「顫」の文字はビブラートを示すのに用いられることも多い。) 「日本耳鼻咽喉科全書」によると、ビブラートとトレモロの違いは多くの場合、前者には美的効果があり、快感を与えることが条件であり、後者は不快感と不安定感がある。不快感の原因は、声の高さ、強さ、音色の変化が不規則、変化の回数が少なすぎる、逆に多すぎる、高音の動揺が著明すぎ、聴き手に焦燥感、不安定感を与える、と書いてある。
※この「ビブラートとトレモロの違い」の解説は、「ビブラート」の解説の一部です。
「ビブラートとトレモロの違い」を含む「ビブラート」の記事については、「ビブラート」の概要を参照ください。
- ビブラートとトレモロの違いのページへのリンク