パーニニ文法の規則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/09 13:50 UTC 版)
冒頭の二つの規則は次のようなものである。 1.1.1 vṛddhir ādaiC 1.1.2 adeṆ guṇaḥ ここで大文字であらわされている文字は特別なメタ言語的シンボルであり、IT(इत्)マーカーと呼ばれる。後のサンスクリット文法学者カーティヤーヤナ(前3世紀)やパタンジャリは同じものを「アヌバンダ」と呼んだ。このCとṆの文字はシヴァスートラ(後述)のそれぞれ4番目の規則("ai, au, C") と3番目の規則 ("e, o, Ṇ")の末尾に符合し、aiCで「aiからCまで」すなわち{ai, au}を、eṆで「eからṆまで」すなわち{e, o}という音素のリストを指す。両方の規則に現れるT(連音によって d に変化している)もITマーカーであり、1.1.70で定義されている。このTはそれに先立つ音素が音素リストではなく、アクセントや鼻音化などの超分節的特徴を含む単一の音素であることを意味する。例えばāTとaTはそれぞれ{ā}、{a}をあらわしている。したがって、上の2つの規則は音素リストと術語から構成されており、最終的に次のような解釈になる。 1.1.1: 術語vṛ́ddhiは{ā, ai, au}という音素を示す。 1.1.2: 術語guṇaは{a, e, o}という音素を示す。 ここまでくれば、術語guṇaとvṛ́ddhiがそれぞれ母音階梯をあらわしていることもみてとれるだろう。
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