バロックへの影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/23 00:25 UTC 版)
「その日を摘め」は「メメント・モリ」などと並び、バロックの精神の鍵となる言葉である。 三十年戦争の過酷な経験の中で、17世紀には「ヴァニタス」(空しい、全ては空しい)や「メメント・モリ」(死を想え)など、人生は儚い一過性のものだとする強い感情が形成されていった。全ての活動の無益さを強く感じた人々は、これに対して、永遠について考えるよりもこの時この場所を有効に使うべきだとして快楽を許容する感情へと傾いていった。バロック時代の芸術、例えばバロック文学、バロック美術、バロック音楽、バロック建築などに見られる陽気さ、好色さ、遊戯性、流動性などは、この中心となる感情に基づく。上述したイギリスの詩人ロバート・ヘリックの『乙女らへ、時を大切にせよ』(To the Virgins, to Make Much of Time)には「その日を摘め」に共通した語句が歌われ、ドイツの詩人マルティン・オーピッツの1624年の詩には、『その日を摘め』(Carpe diem)と題したものがある。
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