ハーラルの石碑
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/29 18:39 UTC 版)
ハーラルの石碑は、高さ2.4m、最大幅2.9mの不定形の石碑であって、ハーラル青歯王の存命中の983年ごろに建てられたと考えられている。北欧最古と考えられるキリスト像のレリーフがヴァイキング独特の伝統的な帯状装飾に囲まれて刻まれている。また、別の面には、グリフィンが帯状装飾に囲まれて刻まれている。これは、ハーラル王自身のノルウェー征服を象徴して刻んだものと考えられている。碑文には、「王であるハーラルは、父であるゴームと母であるチューラを記念してこの碑を建てる。ハーラルはデンマークとノルウェーを勝利によって獲得し、デーン人をキリスト教へ改宗した。」と刻まれている。 ( 面A) ᚼᛅᚱᛅᛚᛏᚱ ᛬ ᚴᚢᚾᚢᚴᛦ ᛬ ᛒᛅᚦ ᛬ ᚴᛅᚢᚱᚢᛅ ᚴᚢᛒᛚ ᛬ ᚦᛅᚢᛋᛁ ᛬ ᛅᚠᛏ ᛬ ᚴᚢᚱᛘ ᚠᛅᚦᚢᚱ ᛋᛁᚾ ᛅᚢᚴ ᛅᚠᛏ ᛬ ᚦᚭᚢᚱᚢᛁ ᛬ ᛘᚢᚦᚢᚱ ᛬ ᛋᛁᚾᛅ ᛬ ᛋᛅ ᚼᛅᚱᛅᛚᛏᚱ (᛬) ᛁᛅᛋ ᛬ ᛋᚭᛦ ᛫ ᚢᛅᚾ ᛫ ᛏᛅᚾᛘᛅᚢᚱᚴ (面B) ᛅᛚᛅ ᛫ ᛅᚢᚴ ᛫ ᚾᚢᚱᚢᛁᛅᚴ (面C) ᛫ ᛅᚢᚴ ᛫ ᛏ(ᛅ)ᚾᛁ (᛫ ᚴᛅᚱᚦᛁ ᛫) ᚴᚱᛁᛋᛏᚾᚭ [釈文] (面A) haraltr : kunukR : baþ : kaurua「ハーラル:王:命ずる:~するのを」 kubl : þausi : aft : kurm faþur sin「建てる:これ(→この石碑):~のあとに、~を追って(→~を追憶する、振り返る、記念する):ゴーム/父/彼の」 auk aft : þąurui : muþur : sina : sa「及び/~を追憶する、振り返る:チューラ:母:彼の:」 haraltr (:) ias : sąR * uan * tanmaurk「ハーラル:~ゆえに、~だから:彼自身が/勝ち取る、獲得する/デンマーク」 ( 面B) ala * auk * nuruiak「すべて/及び/ノルウェー」 (面C) * auk * t(a)ni (* karþi *) kristną「及び/デーン人/~にした/キリスト者」 (Jacobsen & Moltke, 1941-42, DR 42) 1955年にこの石碑の石膏レプリカがロンドンの英国祭にお目見えした。そのレプリカは現在、ロンドンのデンマーク語教会の敷地内に建てられている。
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