ハーゲン・ポアズイユ流れ
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/28 13:20 UTC 版)
ハーゲン・ポアズイユ流れ(ハーゲン・ポアズイユながれ、英語: Hagen–Poiseuille flow)とは、管径が一定の円管を流れる粘性をもつ流体(非圧縮性のニュートン流体)の定常層流解[1]、つまり円形の管の中をゆっくり流れる水などの流れ方に関する厳密解である。このような流れでは非圧縮性ニュートン流体の運動方程式であるナビエ・ストークス方程式を解析的に解くことができ、この流れは数少ない厳密解のうち最も有名でかつ重要な流れである[2]。
特にハーゲン・ポアズイユの法則(英語: Hagen-Poiseuille law)またはハーゲン・ポアズイユの式(英語: Hagen–Poiseuille equation)と言った場合には、このような流れにおける(体積)流量に関する公式のことを指す[3]。また、「ハーゲン」を省略してポアズイユ流れとも呼ばれるが、概要で説明されるようにこの呼び方は正当な評価とは言えない。
概要
粘性流体が管径が一定の円管を層流で流れる場合、その流速分布は、厳密に
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この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2022年2月)
前述した流速分布式を断面で積分することにより、以下の(体積)流量Q に関するハーゲン・ポアズイユの式が得られる。
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この結果を、ダルシー・ワイスバッハの式:
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- :平均流速
の関係が次式で与えられる。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c 禰津・冨永『水理学』、p.123。
- ^ 禰津・冨永『水理学』、p.123。
- ^ 日下部・檀・湯城『水理学』、p.81。
- ^ a b c d 禰津・冨永『水理学』、p.124。
参考文献
- 禰津家久、冨永晃宏『水理学』朝倉書店、2006年。ISBN 4-254-26139-X。
- 日下部重幸、檀和幸、湯城豊勝『水理学』コロナ社、2003年。ISBN 4-339-05507-7。
関連項目
- オイラー方程式 (流体力学) - 粘性を仮定しないこの方程式からはハーゲン・ポアズイユ流れは誘導できない
- ナビエ・ストークス方程式 - ハーゲン・ポアズイユ流れはこの式から厳密に誘導される
外部リンク
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ハーゲン・ポアズイユの式
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「ハーゲン・ポアズイユ流れ」の記事における「ハーゲン・ポアズイユの式」の解説
前述した流速分布式を断面で積分することにより、以下の(体積)流量Q に関するハーゲン・ポアズイユの式が得られる。 Q = ∫ 0 a u ( r ) ⋅ 2 π r d r = π g I e 8 ν a 4 {\displaystyle Q=\int _{0}^{a}u(r)\cdot 2\pi rdr={\frac {\pi gI_{e}}{8\nu }}a^{4}} ここで、各記号の意味は前述と同じである。 これを変形すると、 ν = π g a 4 8 Q I e {\displaystyle \nu ={\frac {\pi ga^{4}}{8Q}}I_{e}} となり、半径a の円管を用意し、そこに粘性流体を層流で流したときに流れる流量Q 、及び円管内の2点間のピエゾ水頭をピエゾメータ(英語版)で計測して動水勾配Ie を測定できれば、その流体の動粘性係数νを求めることができる。
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