ハンニバルの対応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/22 13:53 UTC 版)
「ゲロニウムの戦い」の記事における「ハンニバルの対応」の解説
ハンニバルの冬営地であるゲロニウムの安全は確保されており、またローマ軍に対する大規模な作戦も計画されていなかった。ローマ軍の兵力は依然としてカルタゴ軍に優越しており、ハンニバルは決定的な戦術的優位性を見出すまで、大規模作戦を望まなかった。カルタゴ本国からの補給が期待できず、敵地に滞陣しているハンニバルにとって、兵の消耗は許されなかった。 しかしローマ軍が2分割されたとの情報を受け、ハンニバルは戦略を再考し、ローマ軍を会戦によって撃滅することを考慮した。ローマ軍は分かれて野営しており、援軍が到着するまでの間、カルタゴ軍は優位な戦闘を行うことができる。紀元前217年夏の間、ファビウスはカルタゴ軍の挑発に乗らなかったことから、ハンニバルはミヌキウスの方が対処容易と結論した。したがって、ファビウスが行動する前にミヌキウスを敗北させる方法を考える必要があった。ハンニバルの次なる課題は、ミヌキウスのローマ軍を罠にかけて撃滅する計画を立案することであった。慎重な検討の後、ミヌキウスの攻撃的な性格を利用し、戦闘に適切な地形を選んだ計画を立案した。前回と同じような勝利が得られるとミヌキウスが考えるように、慎重にカルタゴ軍を機動させ、実際にはトレビアの戦いと同じような罠を仕掛けるというものであった。前回のハンニバルの敗戦は、このような状況を作り出すための故意のものであったとの説もあるが、この説はやや突飛に過ぎると思われる。
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