ニ電子原子またはイオン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 21:52 UTC 版)
「シュレーディンガー方程式」の記事における「ニ電子原子またはイオン」の解説
中性のヘリウム原子(He, Z = 2)や、陰性の水素イオン(H–, Z = 1)、陽性のリチウムイオン(Li+, Z = 3)のような、いかなる二電子系に対する方程式は、 E ψ = − ℏ 2 [ 1 2 μ ( ∇ 1 2 + ∇ 2 2 ) + 1 M ∇ 1 ⋅ ∇ 2 ] ψ + e 2 4 π ϵ 0 [ 1 r 12 − Z ( 1 r 1 + 1 r 2 ) ] ψ {\displaystyle E\psi =-\hbar ^{2}\left[{\frac {1}{2\mu }}\left(\nabla _{1}^{2}+\nabla _{2}^{2}\right)+{\frac {1}{M}}\nabla _{1}\cdot \nabla _{2}\right]\psi +{\frac {e^{2}}{4\pi \epsilon _{0}}}\left[{\frac {1}{r_{12}}}-Z\left({\frac {1}{r_{1}}}+{\frac {1}{r_{2}}}\right)\right]\psi } r 1 はひとつの電子の位置(r 1 = |r 1| はその大きさ)で、r 2 はもうひとつの電子の位置(r2 = |r 2| はその大きさ)である。r 12 = |r 12| はそれらの間の距離の大きさであり、r 12 は以下で与えられる。 r 12 = r 2 − r 1 . {\displaystyle {\boldsymbol {r}}_{12}={\boldsymbol {r}}_{2}-{\boldsymbol {r}}_{1}\,\!.} μ は再び質量M の原子核に対応した電子の二体換算質量であり、ここでは μ = m e M m e + M {\displaystyle \mu ={\frac {m_{e}M}{m_{e}+M}}\,\!} そして、Z は元素に対する原子番号である(量子数ではない)。 2 つのラプラシアンの交差項 1 M ∇ 1 ⋅ ∇ 2 {\displaystyle {\frac {1}{M}}\nabla _{1}\cdot \nabla _{2}\,\!} は、mass polarization term として知られ、原子核の運動が原因で現れる。波動関数は 2 つの電子の位置の関数である。 ψ = ψ ( r 1 , r 2 ) . {\displaystyle \psi =\psi ({\boldsymbol {r}}_{1},{\boldsymbol {r}}_{2}).} この方程式に対する閉形式解はない。
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