ナブラ
(ナブラ演算子 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/29 04:08 UTC 版)
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ベクトル解析における演算子 ∇(ナブラ、英: nabla、del)は、ベクトル微分演算を表し、特に一次元の領域で定義された函数に施すとき、微分積分学で定義される通常の微分 D = d/dx と同じになる。多次元の領域上で定義された場に施すときには、スカラー場の勾配 grad や、ベクトル場に対しては作用のさせ方により回転 curl や発散 div を与えたりする。
厳密に言えば、∇ は特定の作用素を意味するのではなくて、いま挙げたような演算に対する簡便記法と考えるべきであって、これにより様々な等式が覚え易く書き易いものとなる。∇ を偏微分作用素を成分とするベクトルと解釈すれば、三種の演算 grad, div, curl(またはrot) は、場と ∇ とのそれぞれスカラー倍、点乗積、交叉積を形式的に取ったものと見做すことができる。これらの形式的な積が、必ずしも他の作用素や積と可換であることは要求されない。
定義
座標 (x, y, z) を持つ三次元デカルト座標空間 R3 において ∇ は、偏微分作用素を項とするベクトルとして
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DCG chart: 二階微分に関する全ての規則を記した簡易チャート。D, C, G, L, CC はそれぞれ divergence, curl, gradient, Laplacian, curl of curl を表す。矢印は二階微分の存在を指し示すもので、青い円は curl of curl の中間表現、赤い(破線の)円は DD と GG が存在しないことを意味する。 スカラーやベクトルに∇を施すと一般にスカラーやベクトルが返ってくるのだが、ベクトルの乗法は多様(スカラー倍、スカラー積、ベクトル積)だから、∇の施し方ですでに勾配(スカラー倍)・発散(スカラー積)・回転(ベクトル積)の三種類の微分が生じている。そこでこの三種類の微分に、再び各種微分を施すと可能なものが五種類出てきて、これにラプラス作用素とベクトルラプラス作用素を加えると、以下のようになる。f はスカラー場、v はベクトル場として、
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ナブラ演算子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/08 06:12 UTC 版)
ナブラ演算子 ∇ は偏微分作用素をベクトルとして並べた組である: ∇ = ( ∂ ∂ x , ∂ ∂ y , ∂ ∂ z ) . {\displaystyle \nabla =\left({\frac {\partial }{\partial x}},\,{\frac {\partial }{\partial y}},\,{\frac {\partial }{\partial z}}\right).} これにより勾配 ∇f 発散 ∇⋅v→ 回転 ∇×v→ のような表記ができる。∇ は多くの場合ベクトルのように振る舞うので、この記法は非常に便利であるが、∇ はベクトルと可換ではなくベクトルのすべての性質を満たすわけではないので記号の濫用と言える。
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