ドーパント注入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/26 04:03 UTC 版)
イオン注入が最も一般的に用いられるのは、半導体中へのドーパント注入である。半導体がシリコンの場合、普通ボロン、リン、砒素など純度の高いドーパント原子であり、ドーパント原子のボロンは三フッ化ホウ素(BF3)ガス、リンはホスフィン(PH3)ガス、砒素はアルシン(AsH3)ガスが一般的に使われ、数KeVからMeV級のエネルギーで加速する。これらは腐食性や発火性、致死性が高いなど危険なガスである。ドーパントが注入されることにより、半導体中にキャリアとして電子または正孔を作り、半導体の伝導性を変化させる。打ち込まれたばかりのイオンは半導体原子の結晶に並ばないため不活性であり、結晶格子も格子欠陥が生じるため修復する必要がある。このため注入後は加熱によって結晶格子を整えるためにアニール処理を行なう。半導体のプロセス中のトランジスタ形成などの浅い打ち込み後には、熱拡散させないように熱線の照射による短時間加熱を行うラピッド・サーマル・アニール(Rapid thermal anneal, RTA)処理が行われる。
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