トールの館との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/20 07:58 UTC 版)
トアホテルが建てられた場所(北野町4丁目125番地)には20世紀初頭、イギリス人F・J・バーデンズの屋敷があった。バーデンズはこの屋敷を「The Tor」(トールの館)と称しており、ジャパンガゼットという横浜の新聞社が毎年発行していた「JAPAN DIRECTORY」の1901年から1905年にかけての版にも、バーデンズの住所は"The Tor,"125,Kitanocho,Shichomeと記載されている。1905年の版を最後に「JAPAN DIRECTORY」からトールの館の記載はなくなり、1908年にトアホテルが同じ場所に開業していることから2つの建物の名称の間には関連性がうかがえるが、トールの館にちなんでトアホテルの名称がつけられたことを示す客観的な証拠はない。 なお、かつて北野町3丁目に存在し1963年に灘区の王子動物園内に移設された異人館旧ハンター住宅(エドワード・ハズレット・ハンターの邸宅であった建物)は、トアホテルが建てられていた敷地にあったドイツ人A・グレッピーの邸宅を改造し、北野町3丁目へ移築したものである。北野町4丁目125番地の登記簿を見るとA・グレッピーの妻であった日本人名義の保存登記に始まり、次いで1900年に「英国臣民エフ・ゼー・バーデン」なる人物が山林・建物・竹木を所有するための地上権を設定している。これらの事実に前述の「JAPAN DIRECTORY」の記載を総合すると、1900年にF・J・バーデンズがA・グレッピーの邸宅を取得して1905年頃まで所有し、その後エドワード・ハズレット・ハンターに譲渡、ハンターが北野町3丁目へ移築したことが推察される。つまり、旧ハンター住宅こそがトアロードの名称の由来ともされるトアホテルの名称との関連性が指摘される、トールの館である可能性がある。
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