トロツキストによる定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/20 14:42 UTC 版)
「堕落した労働者国家」の記事における「トロツキストによる定義」の解説
トロツキストによる定義では、1923年にスターリンらの権力掌握(ソヴェト・テルミドール)以後、官僚的なカースト制が確立されたが、政治的支配であり、プロレタリア革命によって樹立された生産様式そのものは転覆されていないため新しい社会的・経済的支配階級とはならなかった、とする。ソビエト連邦が「堕落した労働者国家」であるとの理論は、ソビエト連邦で政治革命 (en)を起こすべきであるが、資本主義者の復古に対してはソビエト連邦を防衛すべきである、とのトロツキーの主張と密接な関連がある。 この用語の意味では、「堕落した労働者国家」では労働者階級がブルジョワジーから権力を奪取し続け、生産手段は社会的所有であり続けているが、しかしその後に権力は非民主的で説明責任を持たない官僚に奪われ、革命は堕落した、とする。 最新の分析では、恐らくこの国は労働者国家であるが、その中にはプロレタリア独裁の名残が残っていない。我々が居るのは、官僚による独裁の下にある、堕落した労働者国家である。 — レフ・トロツキー、1935年、The Workers’ State, Thermidor and Bonapartism 「堕落した労働者国家」の用語は、通常はソビエト連邦のみに対して使われている。東欧や中国の人民民主主義諸国に対しては、これらの諸国の体制がもともとスターリン主義体制であったとして、「堕落した」とは言われず、「歪曲された労働者国家」との用語が使われる。だが、一部のトロツキスト党派は、プロレタリア革命によらずに樹立された国家が労働者国家ではありえないとして、人民民主主義諸国を資本主義国家としている。
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