トリル用ボタン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 08:01 UTC 版)
トゥッシュの右横に小さなボタンが並んでおり、それを用いることによって微分音から完全五度までの各音程のトリルまたはトレモロも演奏可能である。この微分音は調律可能で、正確な四分音ではなく若干ずれている場合にはダイヤルで調節することが必要である。長三度と完全五度は純正律上に調律されており、鍵盤でのトレモロよりもずっと効果的に響く。 また複数のボタンを組み合わせることにより、さらに異なる音程を作ることも可能である(下記に詳述)。組み合わせによっては左手のトゥッシュが使えないので、ペダルでの演奏を考慮する必要がある。つまり伸音では使えるが、スタッカートなどトゥッシュの繊細な操作を伴うアーティキュレーションには使えない。また3つ以上のボタンを要求する場合は、とっさの判断に注意を要する。 ボタンを単独で押す場合ボタン1 下段左 四分音下 ボタン2 下段右 四分音上 ボタン3 中段左 半音(短2度)上 ボタン4 中段右 全音(長2度)上 ボタン5 上段左 長3度上 ボタン6 上段右 完全5度上 ボタンを組み合わせて押す場合ボタン3,4 短3度上 ボタン3,5 完全4度上 ボタン4,5 増4度上 ボタン1,4,5 増4度上の四分音下(自然倍音列の第11倍音に基づく) ボタン2,5 長3度と四分音上(平均律上では上記と同様だが実際は微妙に異なる) ボタン3,6 短6度上 ボタン4,6 長6度上 ボタン2,4,6 長6度と四分音上(誤差によって短7度の六分音下になり、自然倍音列の第7倍音に基づく) ボタン3,4,6 短7度上 ボタン5,6 長7度上 ボタン3,5,6 完全8度(1オクターヴ)上 ボタン4,5,6 短9度上 ボタン3,4,5,6 長9度(左手で4つのボタンを一度に押すことは困難)
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