トランジットタイミング効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 04:27 UTC 版)
「太陽系外衛星」の記事における「トランジットタイミング効果」の解説
これは系外惑星のトランジットの時刻や継続時間の変動から系外衛星を検出する手法である。トランジットタイミング変化法(transit timing variation, TTV)は系外惑星の検出や特徴付けを行う手段として広く活用されている手法であり、ある惑星がトランジットを起こすタイミングが、付近にある別の天体の影響でわずかに周期的にずれる現象を検出するというものである。また同様にトランジットの継続時間の変化(transit duration variation, TDV)も発生するため、これも天体の検出に用いることが出来る。 惑星が衛星を持っている場合、惑星と衛星は共通重心の周りを周回しつつ、恒星の周りを公転することになる。そのため、その他の天体の影響を無視した場合、惑星と衛星の共通重心は毎回決まったタイミングで特定の地点を通過することになるものの、惑星の位置は衛星の公転によって変化することになる。そのため惑星のTTVやTDVが発生する。 TTVとTDVを組み合わせることによって系外衛星を検出するというアイデアは、2009年に提案された。この手法では、原理的には系外衛星の質量や軌道距離も決定できることが示されている。また後の研究では、ハビタブルゾーン内にある惑星を公転する系外衛星は、ケプラーによる観測データのTTVとTDVを用いることで検出可能だと考えられている。
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