TOYOTA LONGPASS EXPRESSとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > TOYOTA LONGPASS EXPRESSの意味・解説 

TOYOTA LONGPASS EXPRESS

(トヨタ・ロングパス・エクスプレス から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/15 01:21 UTC 版)

TOYOTA LONGPASS EXPRESS
東北本線を走行する「TOYOTA LONGPASS EXPRESS」
(2017年1月 白河駅 - 久田野駅間)
概要
日本
種類 高速貨物列車
現況 運行中
運行開始 2006年11月15日
運営者 日本貨物鉄道
名古屋臨海鉄道
路線
起点 名古屋南貨物駅
終点 盛岡貨物ターミナル駅
運行間隔 1日2往復
使用路線 南港線東港線東海道本線武蔵野線山手線東北本線
技術
車両 コキ100系コンテナ車
軌間 1,067mm
電化 非電化(名古屋臨海鉄道線内)
直流1,500V笠寺 - 黒磯間)
交流20,000V・50Hz(黒磯 - 盛岡貨物ターミナル間)
最高速度 100 km/h
線路所有者 名古屋臨海鉄道
東海旅客鉄道
東日本旅客鉄道
テンプレートを表示
名古屋臨海鉄道南港線を名古屋南貨物駅方面へ向かう列車

TOYOTA LONGPASS EXPRESS(トヨタ ロングパス エクスプレス)は、日本貨物鉄道(JR貨物)および名古屋臨海鉄道2006年11月15日より運転している、トヨタ自動車の製品を運ぶために専用に組成されたコンテナ貨物列車愛称。通称は「ロンパス」「トヨロン」「TLE」。

同列車は、愛知県をはじめとした中京圏に所在するトヨタ系諸工場で生産された部品を、トヨタ自動車東日本(旧・関東自動車工業)岩手工場がある岩手県胆沢郡金ケ崎町に運ぶため、名古屋南貨物駅盛岡貨物ターミナル駅の間を1日2往復運行しており、同工場への部品輸送量の約8割を担っている。

自動車部品の工場間輸送は従来内航海運に多くを委ねてきたが、各種情勢の変化から輸送力が飽和しつつあり、増産分を鉄道輸送に移管する方針が採られたために設定された列車である。モーダルシフトの一環としての意義も有するが、厳密には本来のモーダルシフト(トラック輸送から鉄道・船舶輸送への移行)とは趣旨が異なる。

運行体系

名古屋南貨物駅(名古屋臨海鉄道) - 盛岡貨物ターミナル駅東海道本線東北本線経由で運行する。列車種別は最高速度100km/h高速貨物列車で、所要時間は15 - 20時間である。

コキ100系コンテナ車コキ105形を主体とし必要に応じてコキ104・106・107形を増解結して編成を組成し、専用コンテナ(U55A形)を最大40個積載する。牽引する機関車は、名古屋南貨物駅 - 新鶴見信号場間はEF210形[注釈 1]、新鶴見信号場 - 盛岡貨物ターミナル駅間はEH500形を用いる。

運行経路は、名古屋南貨物駅 - (名古屋臨海鉄道南港線東港線) - 笠寺駅 - (東海道本線) - 新鶴見信号場 - (武蔵野線) - 大宮操車場 - (東北本線) - 盛岡貨物ターミナル駅 である。現運行列車はすべて武蔵野線経由である[注釈 2]。途中停車駅は、運転停車を除き存在しない。運行開始時は、両側の駅を深夜に出発し翌日午後に相手側に到着するダイヤと、両側の駅を午前中に出発し、翌日早朝に相手側に到着するダイヤが組まれた。

運転開始当初は土休日(発駅基準)を除いて1日1往復の運行となっていたが、2007年10月22日からは土休日を除き1日2往復となった。その後、世界的な不況による工場の減産のため2009年3月からは1往復を運休扱いとした[1]が、エコカー減税などの優遇措置や生産体制の再編により同年中に2往復運行に戻った[2]。2016年には再び1往復が臨時列車となり、盛岡ターミナル行きは12両と8両の2便とされ、1本は定期列車、もう1本は八戸貨物駅行き定期列車4083レ後部に併結されて終着していた。2017年にはコンパクトクロスオーバーSUV車C-HR増産のため、再び増解結なしの2往復運行に戻った[3][4]。同年9月からは佐川急便が北東北向けの宅配便にコンテナ1個を占有し混載にて輸送を始めている[5]

現列車番号は名古屋南貨物駅発の列車は、新鶴見までと新鶴見から先が2050・4051列車(深夜発)と2052・4053列車(昼発)で、盛岡貨物ターミナル駅発の列車は、新鶴見までと新鶴見から先が4052・2051列車(午前発)と4054・2053列車(深夜発)である。

コンテナは盛岡貨物ターミナル駅で専用トレーラーに積み替え、東北自動車道国道4号を経由して岩手工場まで運ばれている。

その他

出典

注釈

  1. ^ 代走でEF66形が充当されることもある。
  2. ^ 盛岡ターミナル駅行きのうち1本(2052・4053列車)は新鶴見信号場 - 大宮操車場間において品鶴線山手貨物線田端信号場駅経由で運行した時期があった。

出典

  1. ^ 岩手日報. (2009年11月1日) 
  2. ^ 鉄道ファン』2010年2月。 
  3. ^ 平成29年3月時刻改正 新しい輸送サービスのご案内』(PDF)(プレスリリース)日本貨物鉄道、2016年12月16日。 オリジナルの2017年3月4日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20170304114722/https://www.jrfreight.co.jp/common/pdf/news/201612daiya.pdf2020年11月19日閲覧 
  4. ^ “JR貨物ダイヤ改正「TOYOTA LONG PASS EXPRESS」2往復体制に - 機関車新製も”. マイナビニュース. (2016年12月18日). https://news.mynavi.jp/article/20161218-a077/ 
  5. ^ “異業種共同モーダルシフト…宅配便と自動車部品を運ぶ鉄道貨物、トヨタの「LONGPASS EXPRESS」”. レスポンス編集部. (2017年9月13日). https://response.jp/article/2017/09/13/299700.html 
  6. ^ “1)トヨタ進出、系列も / 国内第3の拠点に”. asahi.com. (2008年9月19日). http://mytown.asahi.com/miyagi/news.php?k_id=04000420809190001 
  7. ^ “トヨタ系続々進出 期待高まる相乗効果 東北”. 河北新報. (2008年9月22日). オリジナルの2009年4月29日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090429101548/https://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1019/20080922_03.htm 2022年7月22日閲覧。 
  8. ^ 秋田港をモデルとした鉄道と港湾の活用による地域活性化策の検討 〜環日本海シーアンドレール構想検討委員会(第1回)の開催〜”. 国土交通省 東北地方整備局 (2007年11月29日). 2022年5月20日閲覧。
  9. ^ 環日本海シーアンドレール実証実験を実施 〜貨物積み込み〜仙台港駅〜秋田港〜ボストチヌイ港〜”. 国土交通省 東北地方整備局 (2008年2月5日). 2022年5月20日閲覧。
  10. ^ “貨物駅新設へ促進協 北上など岩手中部経済界”. 岩手日報. (2008年10月2日). オリジナルの2008年10月2日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20081002171449/https://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081002_7 2022年5月20日閲覧。 
  11. ^ 【佐川急便】TOYOTA LONGPASS EXPRESSを活用したモーダルシフト開始』(プレスリリース)SGホールディングス、2017年9月11日。 オリジナルの2017年10月24日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20171024095711/http://www2.sagawa-exp.co.jp/newsrelease/detail/2017/0911_1263.html2023年9月9日閲覧 

関連項目

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「TOYOTA LONGPASS EXPRESS」の関連用語

TOYOTA LONGPASS EXPRESSのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



TOYOTA LONGPASS EXPRESSのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのTOYOTA LONGPASS EXPRESS (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS