デュブロップパッチの使用について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/08/17 04:22 UTC 版)
「タイトレーション」の記事における「デュブロップパッチの使用について」の解説
タイトレーションの設定でフェンタニルパッチ(デュブロップパッチ)を用いるのは難しい。フェンタニルパッチは3日に1回貼り替えることになっているため、用量の細かい調整が難しいからである。そのため、フェンタニルパッチを使う際には,モルヒネやオキシコドンなどのオピオイドでタイトレーションを行って投与量を定め,突然出現する痛みへのレスキュー投与などを行ったしかる後に、それらのオピオイドの投与量に相当するだけの、フェンタニルパッチの投与量を定めてから貼付することになる。フェンタニルで速やかに痛みを取り除くには、点滴静脈注射でタイトレーションを行うことが可能である。フェンタニルパッチは、低用量製剤であっても効果発現には12時間必要である。また、最も低用量の場合でも、モルヒネに換算すると、1日約30ミリグラムに相当する量なので,30ミリグラムよりも低い投与量で痛みが治まる場合には、フェンタニルパッチの使用は過剰投与になる可能性もある。従って、最初からフェンタニルパッチを投与することは適切とは言えない。がん疼痛治療の基本原則は,患者の痛みの強さや症状に対して綿密にアセスメントを行い、オピオイド速放製剤を少量ずつ投与することから開始し,鎮痛効果と副作用を見極めたうえで,患者に必要な投与量を設定することにある。フェンタニルパッチの場合は低用量であっても、この原則には当てはまらない。また痛みがなく、かつ眠気がある場合には30パーセントないし50パーセントの減量、逆に痛みがあって眠気がない場合には同率での増量を行う。不快な眠気がある場合にはオピオイドローテーションを行い、レスキューが有効な場合にはオピオイドを増量する。逆にレスキューが無効な場合には鎮痛補助薬を使う。
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