ディスク全領域への上書き処理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 23:04 UTC 版)
「データの完全消去」の記事における「ディスク全領域への上書き処理」の解説
通常のデータ消去プログラムは、ディスクの全領域のデータを別データに置き換えることを目的とするが、ディスクを上書きするプログラムは必ずしもすべての領域にアクセスできるわけではなく、例えばディスク上の隠しエリア(en:Host Protected Areaやen:Device configuration overlay)や代替セクタ処理で退避された領域などにはアクセスすることが出来ず、そこに存在するデータが残ることになる。つまり、ディスク上の全ての領域にアクセスすることこそが、データ消去の完全性を高める手段であるともいえる。 データを完全消去するプログラムは、一般的なBIOSやOSのAPIではなく、ATAインターフェイス経由でハードディスクコントローラーと直接やり取りする必要がある。BIOSやOSのAPIを通してディスクにアクセスするタイプの消去プログラムは、特定のセクタをアクセスする命令をAPI経由で実行した時に、実際にはその特定セクタにアクセスしていないのに、あたかもアクセスが正常に終了したという回答をBIOSやOSのAPIから受け取ることがある。これらの事象が発生したとき、消去すべきデータを残存させてしまう危険性が極めて高くなる。 近年ではウエスタンデジタルやシーゲイト・テクノロジーなどのハードディスク製造メーカーが、コントローラを直接操作して全領域に上書き処理するソフトウェアを無償で配布している。 ハードウエアによる支援 ネットワークを用いて複数のマシンで同時にデータの完全消去処理を行うことも出来る。DOSベースで製作されている完全消去プログラムはネットワークを用いた処理は出来ないが、Linuxベースで製作されたものはネットワーク越しにサーバやストレージエリアネットワーク(SAN)に接続されたSATAディスクやSASディスクをハンドリングすることが出来る。またセクタサイズが520,524,528でフォーマットされたディスクを512に戻すことも可能である。
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