テーレポスとギリシア悲劇
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/19 20:20 UTC 版)
「テーレポス」の記事における「テーレポスとギリシア悲劇」の解説
古代ギリシアの悲劇作家たちはテーレポスの物語を題材に多くの悲劇作品を書いたことが知られている。アイスキュロス、ソポクレース、エウリーピデースはいずれもテーレポスを題材に悲劇作品を書き、特にソポクレースは『テーレペイア』という3部作ないし4部作の悲劇を書いた。アリストテレースは『詩学』の中でテーレポスを扱った『ミューシアの人々』という作品について言及しているが、アイスキュロス、ソポクレースともに同じタイトルの作品があって、いずれを指すかはわからない。その他にもイオポーン、アガトーン、クレオポーン、モスキオーン、エンニウス、アッキウス、ディーノロコス、リントーンが『テーレポス』というタイトルの悲劇を書いた。これらはいずれも散逸し、わずかな断片以外現存していない。以下に挙げるのは3大悲劇詩人の作品である。 アイスキュロス 『ミューシアの人々』:母アウゲーとの再会を扱ったと考えられている。断片が少なく詳細は不明。 『テーレポス』:断片は少ないが、アリストパネース『アカルナイの人々』の古註から、テーレポスが傷を癒すためにギリシア軍のところにやってきた話を扱ったことがわかっている。 ソポクレース 『アレオスの子供たち』:テーレポスがアレオスの子供たちを殺した話を扱ったと考えられている。比較的多くの断片が残されている。 『ミューシアの人々』:母アウゲーとの再会を扱ったと考えられている。ヒュギーヌスの第100話はこの劇に由来する可能性がある。 『テーレポス』:現存する断片はわずか1語のみで、その内容は不明。サテュロス劇ともいわれる。 『テーレペイア』:通常上記3作をもって『テーレペイア』の3部作であると考えられているが異論もある。 エウリーピデース 『アウゲー』:この劇についてはアルメニアの歴史家ホーレンのモーセースが物語の筋を伝えているほか、パピルスの古伝梗概が断片的に残されている。それらによるとテーレポスの誕生を扱ったとされる。 『テーレポス』:比較的多くの断片が残されており、それらによるとテーレポスは傷を癒すためにギリシア軍のところにやってきた話を扱ったことがわかっている。
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