祁連山脈とは? わかりやすく解説

祁連山脈

(チーリェン山脈 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/30 14:14 UTC 版)

座標: 北緯39度12分 東経98度32分 / 北緯39.200度 東経98.533度 / 39.200; 98.533

祁連山脈
祁連山
青海省祁連県の祁連山
最高地点
山頂 团结峰(Kangze'gyai)
標高 5,808 m (19,055 ft)
地形
所在地 中国甘粛省および青海省の境界
プロジェクト 山

祁連山脈(きれん/チーリェン-さんみゃく, Qilian Mountains)は中国の主な山脈の一つ。青蔵高原(チベット高原)の北縁、甘粛青海に跨り、西はアルチン山脈に接し、東は蘭州の興隆山に至り、南はチャイダム盆地青海湖に相連なる。山脈は西北から東南へ走り、数条の平行する山脈よりなり、平均海抜4000m以上、長さ2000km、幅200~500km。平原河谷が山地面積の三分の一以上を占める。主峰は祁連山。山脈の北側は河西回廊である。

祁連山脈の特徴的な生態系は、世界自然保護基金(WWF)に「祁連山脈の針葉樹林(Qilian Mountains coniferous forests ; PA0517) 」として登録されている[1]

名前の由来

「祁連山」の名の由来は古代の匈奴まで遡る。匈奴語で「祁連」は即ち「天」の意であり、祁連山は「天山」と名付けられたのである。河西回廊の南にあったためかつては南山と称されていた。

唐代詩人李白の「關山月」における「天山」は祁連山を指す。

明月出天山,蒼茫雲海間。
長風幾萬里,吹度玉門關。
漢下白登道,胡窺青海灣。
由來征戰地,不見有人還。
戍客望邊邑,思歸多苦顏。
高樓當此夜,歎息未應閑。

明月、天山より出づ、 蒼茫 そうぼうたる雲海の間。
長風 幾萬里 いくばんり、吹き度る玉門関
は下だる白登の道は窺う青海の灣
由來 ゆらい 征戰 せいせんの地、有人の還り有るを見ず。
戍客 じゅきゃく 邊色 へんしょくを望み、歸るを思うて 苦顏 くがん多し。
高樓 こうろう此の夜に當り、 歎息 たんそくすること未だ かんならざるべし。

含まれる山々

広義の祁連山脈は、甘粛省西部と青海省東北部の境界にある山々の総称である。

稜線 最高峰 海抜(m)
最北の稜線 走廊南山 祁連峰 5,547
冷龍嶺 崗什卡峰 5,254.5
烏鞘嶺 ? ?
第2条 托來山 ? 5,197
第3条 大雪山 ? 5,481
托來南山 ? 5,382
第4条 野馬南山 ? ?
疏勒南山 團結峰 5,826.8
大通山 桑斯扎峰 4,755
達坂山 仙米達坂山 4,353
稜線の間の湖 哈拉湖 N/A 4,077
青海湖 N/A 3,192
第5条 黨河南山 ? 5,665
哈爾科山 ? 5,153
第6条 察漢鄂博圖嶺 ? 5,280
土爾根達坂山 ? 5,696
第7条 賽什騰山 ? ?
柴達木山 红旗峰 5,742
宗務隆山 巴音山 5,030
青海南山 橡皮山 4,452
拉脊山 ? ?
他の山 焉支山 百花嶺 3,978
鷹嘴山 ? 3417.9
日月山 野牛山 4,832

気候

一部には氷河も発達させた、氷冠を戴いた6,500m級の高峰が連なり、「河西回廊」のオアシス都市群、武威涼州)・張掖甘州)・酒泉粛州)・敦煌瓜州)を潤す内陸河川の水源となっており、黒河などの源流にあたる。

山脈にある氷河は融解が進み衰退傾向にあり、後退のペースは1956年 - 1990年に比べ、1990年 - 2001年には50%速くなっている。ある氷河の終端部近くから始まる流れの水量は、60年前に比べて約2倍になっている[2]

脚注

  1. ^ Qilian Mountains Conifer Forests” (英語). World Wildlife Federation. 2019年10月29日閲覧。
  2. ^ フォトログ:衝撃的なペースで減少する中国辺境の氷河、研究者が注目”. ロイター (2020年11月13日). 2020年11月14日閲覧。

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