ソロー『ウォールデン 森の生活』との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/10 06:05 UTC 版)
「心理学的ユートピア」の記事における「ソロー『ウォールデン 森の生活』との関係」の解説
原題のWalden Two'は、ヘンリー・デイヴィッド・ソローの回想録Walden; or, Life in the Woods(邦題『ウォールデン 森の生活』)への直接的言及である。ウォールデン2での生活のメリットとして、ソローがウォールデンで送ったような生活を“仲間と共に”送れることが、作品中で挙げられている。作品中で述べられているように、“Walden Two(第二ウォールデン)”は“Walden for two(2人のウォールデン)”でもある。すなわち個人的な自己実現を、自分以外に誰もいない場所ではなく、活気ある共同体で達成する場所である。当初スキナーは、本作品のタイトルを『ウォールデン 森の生活』の結びの一文であるThe Sun is but a Morning Star(太陽は明けの明星に過ぎぬ)にしようとしていたが、出版社の提案により現在のタイトルになった。 ソローのウォールデンでの実験と、架空のウォールデン2での実験は、理論的にも実践的にも互いに大きく異る。たとえばソローのウォールデンでは、個人レベルでの独立独行が追求されている。これに対してウォールデン2では、(1)共同体レベルでの独立独行と、(2)「環境条件が行動を形成する強さに比べれば個人の自由意志は弱いものである」というスキナーの根本前提の2つが追求・提唱されている。 英語版の表紙のタイトル「WAL-DEN TWO」の「O」の中が黄色く塗られ、「O」の中心から黄色い線が放射状に描かれているのは、『ウォールデン 森の生活』の結語「太陽は明けの明星に過ぎぬ」の引喩である。
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