ソリッドインクプリンター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/22 02:53 UTC 版)
「溶融型熱転写印刷」の記事における「ソリッドインクプリンター」の解説
詳細は「ソリッドインク」を参照 「ソリッドインク」プリンターは、テクトロニクス社が開発した熱溶融型プリンターである。後にゼロックスがテクトロニクスのプリンター部門を買収し、ゼロックスのプリンターとなった。日本ではソニー・テクトロニクスがテクトロニクス社のソリッドインクプリンターを販売しており、米ゼロックスがテクトロニクスのプリンター部門を買収した後は富士ゼロックスによる販売となった。 ソリッドインク方式を採用したXerox Phaser 8400プリンターを例に挙げると、1立方インチ(約16立方センチメートル〈cm3〉)の四角い固形インクブロック(ロウソクやクレヨンなどに似た形をしている)を使用し、プリンタの上部にあるホッチキスのマガジンと同様のシステムにインクをセットする。インクブロックが溶かされると、圧電インクジェットヘッドを通じて回転するオイルコートプリントドラムにインクが転写される。続いて用紙がプリントドラムを通過し、その際に図像が用紙に転写される。このシステムは、インクの噴射温度が60度でインクの粘度が低いという点で、水性インク方式のインクジェットプリンターに似ている。 印刷の特性は前述の熱溶融型プリンターと同様であるが、ソリッドインクを使用したプリンターでは、リボンパネル全体を使用するのではなく印刷に必要なインクのみを使用するため、はるかに経済的である。しかも非常に高品質なプリントを生成できる。ただし、印刷を行うためにはソリッドインクの一部を60度まで加熱して溶融しておく必要があるため、待機電力がかかる。プリンターの電源を消してもう一度付けた場合、かなりの量のインクがウォームアップで捨てられて無駄になるので、印刷するたびにプリンターの電源を付けたり消したりすることが現実的ではなく、結果として常に電源を入れておくことになり、それほど頻繁に印刷しない場合は待機電力が馬鹿にならない。印刷代とインク代はカラーレーザープリンターとほぼ同じであるが、待機電力の使用量は非常に高く、約200ワットにまで達する恐れがある。そのため日本では2006年に販売不振のため販売中止となった。
※この「ソリッドインクプリンター」の解説は、「溶融型熱転写印刷」の解説の一部です。
「ソリッドインクプリンター」を含む「溶融型熱転写印刷」の記事については、「溶融型熱転写印刷」の概要を参照ください。
- ソリッドインクプリンターのページへのリンク