スギタケモドキ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/08 00:29 UTC 版)
スギタケモドキ | |||||||||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Pholiota squarrosoides (Peck) Sacc. (1887)[1] | |||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||
ほか |
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和名 | |||||||||||||||||||||||||||
スギタケモドキ(杉茸擬) |
スギタケモドキ(杉茸擬[2]、学名: Pholiota squarrosoides)は、広葉樹林で見られるみかけはトゲトゲしい褐色の中型のキノコ(菌類)。地方名で、ヤマドリモタセともよばれる[2]。
分布・生態
日本、中国、ヨーロッパ、北アメリカに分布する。日本のなかでは北日本に多い[3]。広葉樹の倒木などに生息する。
初夏から秋にかけて、切り株や、広葉樹の枯れ木や倒木に束生する[3][2]。木材腐朽菌[3]。
形態
傘径は3 - 13センチメートル (cm) 。はじめ球形やまんじゅう形から、のちに平らに開く[2]。傘表面は粘性があり、ほぼ白色から淡黄褐色で、直立した褐色のトゲ状鱗片で密に覆われる[2]。栗色の棘状鱗片を密布。肉は黄白色[2]。綿くず状のつばがあり、下方は傘と同様の棘状鱗片をもつ。胞子はさび褐色[3]。傘の裏のヒダは柄に対してほぼ直生し、やや密に配列し、はじめは黄白色でのちに褐色[2]。
柄は5 - 15 cm[4]。淡黄色。柄は棒状で、上部に繊維状のつばがあり[5]、ツバは綿くず状で、ツバより下部は傘と同色の下方に反り返った鱗片で覆われる[2]。ツバより上は淡黄色から白色で平滑[5]。
利用
以前は、無味無臭で[5]、遠火で味噌焼きにすると、ほくほくした口当たりの風味が楽しめる[4]とされてきたが現在は毒キノコだと考えられている[2]。毒成分は不明だが、嘔吐、下痢などの消化器系の中毒をおこす可能性がある[5][2]。
脚注
- ^ “Pholiota squarrosoides”. MYCOBANK Database. 国際菌学協会 (IMA) とウェスターダイク菌類生物多様性研究所. 2025年3月8日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j 長沢栄史 監修、Gakken 編『日本の毒きのこ』学習研究社〈増補改訂フィールドベスト図鑑 13〉、2009年9月28日、140頁。ISBN 978-4-05-404263-6。
- ^ a b c d 小宮山勝司、ヤマケイポケットガイド⑮『きのこ』、山と渓谷社、2000年、155頁
- ^ a b 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄、山渓カラー名鑑『増補改訂新版 日本のきのこ』、山と渓谷社、2011年、231頁
- ^ a b c d 柳沢まきよし、ポケット図鑑『新版 日本のキノコ275』、文一総合出版、2022年、147頁
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