シリウス_(蒸気船)とは? わかりやすく解説

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シリウス (蒸気船)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/03 16:10 UTC 版)

基本情報
船籍 イギリス
経歴
竣工 1837年
その後 1847年1月16日に遭難
要目
総トン数 703トン
排水量 1,995トン
全長 200フィート (60.9m)
全幅 25フィート (7.62m)
型幅 47フィート (14.3m)
喫水 15フィート (4.5m)
機関方式 蒸気機関
マスト
速力 8.03ノット
旅客定員 40名
乗組員 36名
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シリウスSS Sirius)は、イギリスのセント・ジョージ蒸気郵船会社の船[1]外輪船である。蒸気船でありながら、補助用のを装着するためのマストを2本持つ。[2]

船名はおおいぬ座シリウスからとられている[1]

船歴

「シリウス」は1837年にスコットランドのリースで建造され、ロンドンコーク間の航路に就航した[1]

1838年3月、蒸気船による大西洋横断航路開設に乗り出したブリティッシュ・アンド・アメリカン蒸気航海会社は、自社船「ブリティッシュ・クイーン」の建造が遅延していたことから、他社に先んずるため「シリウス」を傭船した[3]

3月28日にコークへ向けロンドンを出港した「シリウス」は試運転中であったライバル会社の「グレート・ウェスタン」と遭遇している[4]

「シリウス」は乗客44人を乗せて4月4日にコークを出港[4]。4月23日、「グレート・ウェスタン」より数時間早くニューヨーク港に入港し、この航路の一番船となった[5]。航海時間は18日14時間22分であった[6]。この航海では石炭が不足し、船内の木製品も燃料とされたという[5]

「シリウス」はイギリスへ戻った後、再度ニューヨークへの往復航海を行い、7月に傭船解除となって元の航路に戻った[7]

1847年1月15日、ダブリンからコークへ向かっていた「シリウス」はコーク付近で濃霧の中触礁し損傷[8]。後進してそこを離れるも、浸水多量であったため船長は岸に向かおうとしたが、バリコットン西方約1.5浬の場所で座礁した[8]。乗員乗客90名中71名が救助された[8]。死者は、8人乗りの救命艇に20人が乗ったため沈没したことで生じた[8]

設計

「シリウス」は703総トン、長さ54.3メートル、幅7.8メートル[9]。機関はサイドレバー・エンジンで、出力320馬力、計画速力9ノットであった[1]。表面復水器が採用されていた[1]

船名の由来から、黒犬の船首像がつけられていた[1]

脚注

  1. ^ a b c d e f 『蒸気船の世紀』93ページ
  2. ^ Kludas, Arnold. "Das blaue Band des Nordatlantiks", 1999, pg 35 (in German)
  3. ^ 『蒸気船の世紀』91-92、94ページ
  4. ^ a b 『蒸気船の世紀』95ページ
  5. ^ a b 『蒸気船の世紀』97ページ
  6. ^ From list of record holders found on http://www.greatships.net
  7. ^ 『蒸気船の世紀』98ページ
  8. ^ a b c d 『蒸気船の世紀』99ページ
  9. ^ 『蒸気船の世紀』92-93ページ

参考文献

外部リンク

記録
先代
無し
ブルーリボン賞 (船舶)保持船舶 (西回り航路)
1838年
次代
グレート・ウェスタン
先代
無し
ブルーリボン賞 (船舶)保持船舶 (東回り航路)
1838年
次代
グレート・ウェスタン

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