シラバブとは? わかりやすく解説

シラバブ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/19 21:35 UTC 版)

シラバブ

シラバブ英語: Syllabub)とは、イギリスデザート飲料である。16世紀から19世紀にかけて人気があった飲み物であり[1]、今日ではこれを元にしたデザートが食べられている。

現代のデザートであるシラバブは脂肪分の高い生クリーム(ダブルクリーム)に砂糖、アルコール類、レモンを加えたものが主流であり、フルーツを加えたアレンジがされることもある[2]

歴史

シラバブの語源は判明しておらず、"Sillabub"、"Sillebub"、と綴られることもあった[2]。一説にはフランスシャンパーニュ地方を指す"Sill"、"Sille"と泡立った飲み物を意味する"bub"をつなげたものと言われている[2]

17世紀から18世紀にかけての時期には3種類のシラバブが存在していた[3]。搾りたての温かい牛乳を香辛料を加えたシードル(リンゴ酒)やエール (ビール)に入れ、表面に浮かんだ軽い凝乳(カード)とその下の乳清(ホエイ)がシラバブとして飲まれていた[2]。この飲み物はイングランド王チャールズ2世の好物であり、セント・ジェームズ・パークにはシラバブ用の牛が飼われていたという[4]

牛乳の代わりにクリームを用いるホイップド・シラバブ(Whipped Syllabub)は、入念に泡立てた上で一晩置いたクリームをアルコール類が注がれたグラスに載せて供された[3]。このシラバブは富裕層に好まれ、シードルやエールといった安価な酒に代えてワインシェリー酒に似たサックという酒が使われていた[3]。18世紀にハナー・グラスが刊行した料理書"The Art of Cookery made Plain and Easy"の中にはホイップド・シラバブのレシピが収録されており、「1クォートのクリーム、2分の1パイントのサック、セビーリャのオレンジ、レモンから作ったジュース、レモンの皮、砂糖」が材料として記されている[5]

その後エヴァーラスティング・シラバブ(Everlasting Syllabub)という液体と固体の中間の性質の飲料が考案され、これが今日食べられているデザートのシラバブの原型となった[2]

脚注

  1. ^ Alan Davidson (21 August 2014). The Oxford Companion to Food. OUP Oxford. pp. 800–. ISBN 978-0-19-104072-6. https://books.google.com/books?id=bIIeBQAAQBAJ&pg=PA800 
  2. ^ a b c d e 羽根則子 『イギリス菓子図鑑』誠文堂新光社、2015年、190-191頁。 ISBN 978-4-416-61519-5 
  3. ^ a b c シラバブ”. 英国ニュースダイジェスト (2018年7月). 2018年11月閲覧。
  4. ^ <イギリス菓子・レシピ> シラバブ【Syllabub】”. イギリスの食、イギリスの料理&菓子 (2009年2月). 2018年11月閲覧。
  5. ^ Glasse, Hannah (1774) (英語). The Art of Cookery, Made Plain and Easy: Which Far Exceeds Any Thing of the Kind Yet Published .... W. Strahan, J. and F. Rivington, J. Hinton. https://books.google.com/books?id=xJdAAAAAIAAJ&printsec=frontcover&dq=hannah+glasse+the+art+of+cookery&hl=en&sa=X&ved=0ahUKEwjGrfGog9TaAhWFzVMKHcrZAzkQ6AEIKTAA#v=onepage&q=syllabub&f=false 

関連項目


シラバブ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 23:08 UTC 版)

キャッツ (ミュージカル)」の記事における「シラバブ」の解説

海外ジェミマやシラバブと役割似ているが、名前以外の設定劇団四季オリジナル。生まれたばかりの子純粋な性格嫌われ者グリザベラに手を差し伸べようとする優しさがあり、共にメモリーを歌う。

※この「シラバブ」の解説は、「キャッツ (ミュージカル)」の解説の一部です。
「シラバブ」を含む「キャッツ (ミュージカル)」の記事については、「キャッツ (ミュージカル)」の概要を参照ください。

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