シェルモデルとの関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/08/29 12:26 UTC 版)
101Snは、魔法数を二重に満たす二重魔法核である100Snに中性子が1個加わった核種である。101Snの基底状態は、101Snに近い質量数を持つ103Sn、105Sn、107Snと同一であると仮定されていた。これは、原子核物理学で50年以上使われているシェルモデルから計算された値であり、実際にもよく当てはまっていた、しかし、2010年に、今まで合成が困難であった105Teを合成し、アルファ崩壊によって生成した101Snを実際に測定したところ、シェルモデルから計算されたものに当てはまらず、普通は107Sn、105Sn、103Snの順序で101Snの基底状態のエネルギーが低いところ、101Snのエネルギーは103Snより高いという逆転現象が確認された。シェルモデルに反する基底状態が発見されたのはこれが初めてであり、すぐ隣の二重魔法核である100Snの影響が考えられている。標準的なシェルモデルでは、原子核のスピン値は中性子のペアに依存するため、近い数値の偶数同士・奇数同士は同じスピン値を持つ場合が多いが、101Snはそれに当てはまらない可能性もあり、従来のシェルモデルに修正が必要な可能性が生じたことを示す。
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