ケーラー多様体のホッジ予想
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 07:39 UTC 版)
「ホッジ予想」の記事における「ケーラー多様体のホッジ予想」の解説
ホッジ予想を自然に一般化すると次のように言うことができるであろう。 ホッジ予想のケーラー多様体のナイーブなバージョン X を複素ケーラー多様体とすると、すべての X 上のホッジ類は、X の複素部分多様体のコホモロジー類の有理数係数の線形結合であろう。 この予想も楽観的すぎる。何故ならば、これを行うための豊富に部分多様体が存在するとは言えないからである。次の一つか二つの問題を問うことができる状況になっている。 ケーラー多様体のホッジ予想のベクトルバンドルのバージョン X を複素ケーラー多様体とする。すべての X のホッジ類は X 上のベクトルバンドルのチャーン類の有理係数の線形結合である。 ケーラー多様体のホッジ予想の連接層のバージョン X を複素ケーラー多様体とする。すべての X のホッジ類は X 上の連接層のチャーン類の有理係数の線形結合である。 Voisin (2002) は、連接層のチャーン類がベクトルバンドルのチャーン類よりもより厳密なホッジ類を与えることと、連接層のチャーン類であってもすべてのホッジ類を生成するには不十分であることを証明した。結局、ケーラー多様体についてのホッジ予想で現在知られている定式化は、皆、誤りであることが判明している。
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