グレニーのオートコード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/12 05:06 UTC 版)
「Autocode」の記事における「グレニーのオートコード」の解説
世界初のオートコードとそのコンパイラは、1952年にアリック・グレニーがマンチェスター大学のMark 1コンピュータ用として開発したもので、世界初のコンパイラと考えられている。難解であることで有名だったMark 1のマシン語をわかりやすいものにすることが主な目的だった。開発された言語はマシン語よりもはるかにわかりやすかったが、しかしマシンのアーキテクチャに大きく依存していた。 グレニーのオートコードで数式 f ( t ) = | t | + 5 t 3 {\displaystyle f(t)={\sqrt {|t|}}+5t^{3}} を計算する関数の例を以下に示す。この例では乗算の結果がアキュムレータの下位レジスタに収まるという前提で、整数を変数に納めるために必要なスケーリングの計算を省略している。 c@VA t@IC x@½C y@RC z@NC INTEGERS +5 →c # 5をcに代入 →t # 引数をアキュムレータの下位レジスタから # 変数tに読み込む +t TESTA Z # |t|をアキュムレータの下位レジスタに代入 -t ENTRY Z SUBROUTINE 6 →z # アキュムレータの下位レジスタにある値で # 平方根のサブルーチンを呼び出し # 結果をzに代入 +tt →y →x # t^3を計算してxに代入 +tx →y →x +z+cx CLOSE WRITE 1 # z + (c * x) を # アキュムレーターの下位レジスタに入れて # 返す グレニーのオートコードコンパイラのマニュアルには、「処理効率の低下は10%以下」と記載されている。 マンチェスター大学の他のユーザーはグレニーのオートコードをほとんど使わなかった。ブルッカーが1958年に発表した論文の「マンチェスター大学のコンピュータ用に開発されたオートコードプログラム」にすらも言及がなかった。
※この「グレニーのオートコード」の解説は、「Autocode」の解説の一部です。
「グレニーのオートコード」を含む「Autocode」の記事については、「Autocode」の概要を参照ください。
- グレニーのオートコードのページへのリンク