ぎょさん【魚山】
ギョサン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/06 09:26 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動ギョサンとは、安価な一体整形の樹脂製ビーチサンダルに対する小笠原諸島独自の呼称。名前の由来は「漁業(従事者の履く)サンダル」や「漁協(で売っている)サンダル」の略である。
概要
素材はプラスチックできている。鼻緒とソールが一体成型されているため非常に丈夫で、鼻緒が抜ける事はないのが特徴である。水を使う場所での使用を想定して設計されており、タイルなどの上でも意外と滑りにくい。元は安さと丈夫さが取り得の極めて実用性重視の履物であった。オリジナルは奈良県御所市の丸中工業所の製品。元々は茶色系しか無かったが、近年は様々な色の製品が作られ、ラメ入りや蓄光素材製を含めて60種類程度(2018年時点)に増えている。マリンスポーツ愛好者らにも普及しており、パラオなど海外でも「PEARL GYOSAN」の商品名で売られている[1]。
歴史
小笠原諸島が日本に返還された1968年頃から漁師たちの間で普及し始めた。まもなく島内の一般住民も日常的に使用するようになり、「ギョサン」という愛称で呼ばれるようになったようである。その後、島の普段履きが、島を訪れる人たちの間でも小笠原名物として知られるようになるが、この傾向を決定的にしたのが、小笠原ギョサンのユニークさに目をつけて紹介したテレビ番組『出没!アド街ック天国』小笠原編(テレビ東京、2000年6月放送)の一コマであった。この後、度々「ギョサン」はメディアに登場し、全国的に有名になっていく。
日本各地で普通に売られていたものの、せいぜい便所のスリッパ程度の認識でしかなかったこの履き物が、お洒落アイテムとして本土に紹介されたのは2002年頃のことである。関西地区のダイバーズショップが本土では最初にギョサンを取り扱った。アイドルグループ「嵐」の大野智がテレビ番組の企画で着用した影響もあったためか、女性客を中心に売れ行きが伸びている。グアムでの販売も試みられている。
参考文献
- 「巻頭特集 続・ギョサン」『季刊誌 i-Bo 17号』(小笠原自然文化研究所、2006年)
脚注・出典
- ^ 小笠原、多色「ギョサン」根付く 島民ら愛用のサンダル/製造は奈良の工場「不思議な縁」『朝日新聞』朝刊2018年11月30日(第2東京面)2019年1月11日閲覧。
- ギョサンのページへのリンク