キラル中心とキラリティー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 23:06 UTC 版)
「キラル中心」の記事における「キラル中心とキラリティー」の解説
炭素原子には最大4個の原子が共有結合でき、このとき、4本の結合は全て単結合であり、4個の原子は炭素原子を中心とする正四面体のほぼ頂点に位置する。このとき4個の置換基が全て鏡映対称であれば、この分子の鏡像同士はどう移動させても重ね合わせられない(図1A)。すなわちこの分子はキラルであり、その鏡像同士は互いにエナンチオマーである。 図1A.不斉炭素の鏡像(XYZは鏡映対称) 図1B.不斉炭素の鏡像(RとSは鏡像対) 図2A.アレン誘導体の鏡像(XYZは鏡映対称) 図2B.アレン誘導体の鏡像(XYは鏡映対称) 不斉炭素原子は分子がキラルとなるひとつの要因だが、必要条件でも十分条件でもない。例えば図1Bのように、4個の置換基のうち2個は鏡映対称で2個は一対の鏡像であれば、この分子の鏡像同士は重ね合わせることができてキラルではない。不斉原子を複数持つメソ化合物もキラルではない。また、アレン誘導体のように、不斉炭素原子を持たないがキラルな分子もある。
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