キュリーワイス‐の‐ほうそく〔‐ハフソク〕【キュリーワイスの法則】
キュリー・ワイスの法則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/30 07:44 UTC 版)
キュリー・ワイスの法則(キュリー・ワイス則、英: Curie–Weiss law)とは、強磁性や反強磁性のキュリー点以上の温度における磁化率の振る舞いを説明する法則である。ピエール・ワイス (Pierre Weiss) が1907年に発表した分子場理論により求めた。
キュリー・ワイスの法則は
で表される。ここで
これは、常磁性体におけるキュリーの法則
を拡張し、の分だけ平行移動させたものととらえることができる。
このは常磁性キュリー温度や漸近キュリー温度、漸近キュリー点などと呼ばれ、強磁性から反磁性へと転移する温度である強磁性キュリー温度Tcとはやや異なった値を示す。具体的には一般に、強磁性体でははTcよりも少しだけ大きい値をとり、反強磁性体では負の温度となる。常磁性キュリー温度は、磁化率の逆数1/χのグラフを低温側に延長して、x軸と交わる (1/χ = 0) 温度として求めることができる。なお、強磁性体や反強磁性体では、強磁性キュリー温度やこれよりも低い温度においては、その物質は自発磁化を有し、キュリー・ワイスの法則は適用できない。
多くの物質(特に強磁性体)において、キュリー・ワイスの法則は常磁性キュリー温度付近の磁化率を説明することができない。これは、キュリー・ワイスの法則が平均場近似に基づいているためである。代わりに臨界指数を用い、以下の式により臨界挙動を取り扱うことができる。
しかし、の温度領域においてはキュリー・ワイスの法則が依然有効である。
強磁性体や強磁性体においては、その磁化率を測定し、キュリー・ワイスの法則よりキュリー定数などを求めることで分子磁場や磁気モーメントの大きさ、交換エネルギーなどを決定することができる。
誘電体のキュリー・ワイス則
強誘電体でも同様に
が成り立っている。ここで
一次相転移をする強誘電体は一般に、常誘電性キュリー温度T0は強誘電性キュリー温度Tcよりも小さい (Tc > T0)。 二次相転移をする場合は一致する(Tc = T0)。
関連項目
参考文献
- Introduction to Solid State Physics 7th ed. (1996) by Charles Kittel
キュリー・ワイスの法則
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「キュリー温度」の記事における「キュリー・ワイスの法則」の解説
詳細は「キュリー・ワイスの法則」を参照 磁性体においては、キュリー温度以上では、磁化率(帯磁率)をχ、絶対温度をT、キュリー定数をCとしたとき、 χ = C T − θ p {\displaystyle \chi ={\frac {C}{T-\theta _{p}}}} という関係が成り立つ。これを、キュリー・ワイスの法則と呼ぶ。ここで θ p {\displaystyle \theta _{p}} は常磁性キュリー温度などとよばれる。 誘電体でも同様に、誘電率をε、絶対温度をTとしたとき、 ϵ = C T − θ p {\displaystyle \epsilon ={\frac {C}{T-\theta _{p}}}} が成り立つ。このときの θ p {\displaystyle \theta _{p}} は常誘電性キュリー温度とよばれる。
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