キャップの形成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 22:31 UTC 版)
詳細は「5'キャップ」を参照 pre-mRNAへのキャップ付加の過程では、7-メチルグアノシン(m7G)が5'末端へ付加される。まず、RNAトリホスファターゼ(英語版)によって5'末端からリン酸が除去され、二リン酸の5'末端が形成される。続いて、mRNAグアニリルトランスフェラーゼ(英語版)の触媒のもと、二リン酸5'末端がGTP分子のα位のリン酸を攻撃し、5′–5′三リン酸結合が形成される。そしてmRNA(グアニン-N7-)-メチルトランスフェラーゼ(英語版)(キャップメチルトランスフェラーゼ)がS-アデノシルメチオニンからメチル基をグアノシン環へ転移する。このm7Gが結合しただけのキャップ構造はcap 0構造と呼ばれる。m7Gに隣接するヌクレオチドのリボースがメチル化されることもあり、これはcap 1構造と呼ばれる。さらにRNA分子の下流のヌクレオチドがメチル化されることでcap 2、cap 3、... の構造が作り出される。これらメチル化はリボースの2'OH基に対して行われる。キャップは、3'-5'ホスホジエステル結合に対する特異性を持つリボヌクレアーゼの攻撃からRNA一次転写産物の5'末端を保護している。
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