ガンゴトリの疾風
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/14 02:18 UTC 版)
スークはラータを支える執政としてザオの事実上の領主になる。慣れない執務、政治、そして外敵の重圧が若いスークを苦しめた。そんな中、苦難を共にした騎士団の仲間、聡明なアムルの補佐が心強い助けになる。時は永い帝政の末期。西方の蛮族モラドウは東への進出の機をうかがっていた。辺境国ザオはその矢おもてにいる。スークは国の護りにことさらに意を注が、そこに横槍がはいる。帝室の傍系タルソン公国の王シムシャーラがザオに出兵を強いる。まつろわぬ隣国を討つという名目だがその実は強引な統制策だった。時をおかず西方からモラドウ進出の報が来る。巨大な力がスークと小国ザオを引き裂く。スークは全軍を挙げて西へ向かった。ガンゴトリの山中でモラドウの先鋒とザオの騎士軍は激戦をくり広げる。仲間たちが倒れ、スークを追って参戦して来たラータも乱戦の中に散る。敗軍の陣中に無情なシムシャーラの処断通達が来る。スークは死を以てそれに応えるしかない。しかし、そこでアムルが秘して来た身の上を明かした。自分がシムシャーラの秘児であり、タルソン公国を自ら捨てた身であること・・・。スークの意が決まる。後事を強引にアムルに託し、自身は腹心のズルワンと馬体を並べ、霧の中を迫る敵軍の只中に突入する。スークは深手を負い捕虜となる。しかし敵軍の将はかつての戦さでスークを見識っていた好漢アシャワンだった。彼は意気に感じて軍の進路を変えスークをその配下に加えようとする。失うものが余りにも多かった。それがスークに「再生」を信じさせていた。心が深く疲れきってもいた。「西へ行け」という運命の声に強く支配されてもいた。アシャワンに挑まれた単騎の闘いをしのぎ、再びヴァロと二人きりになったスークは未知の異界へと向う。
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