ガスガス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/24 15:12 UTC 版)
![]() | |
種類 | 子会社 |
---|---|
本社所在地 |
![]() アラゴン州サラゴサ |
設立 | 1985年 |
業種 | 輸送機械 |
事業内容 | オフロード用オートバイの製造販売 |
主要株主 | ピエラ・モビリティAG |

ガスガス(GAS GAS)は、スペインアラゴン州サラゴサに本社を置くオフロード向けオートバイメーカー。
KTM AGやハスクバーナと同じ親会社(ピエラ・モビリティAG)を持つ、同一グループの企業である。
概要


1974年にナルシス・カサスとジョゼップ・ピベルナットがカタルーニャ州ジローナで設立したトライアル車専門の販売代理店がルーツである。1983年に主要な取引先であったブルタコが破綻して売るバイクが無くなった彼らは、融資を受けて自らバイクを作るために、この会社を1985年に設立した。当初は200台のバイクのみが製造されたが、後に欧米で数千台を売り上げるようになった[1]。なお創業にあたって、日本の亜路欧(アロー)が支援に大いに関わっている[2]。1989年には小排気量のエンデューロモデルの製造も開始した。
FIMトライアル世界選手権では自転車トライアル譲りのテクニックとガスガスの超軽量マシンを駆使したジョルディ・タレスによって1993 - 1995年にタイトルを3連覇し、名声を一気に高めた。また2005年にはアダム・ラガによってアウトドア・インドア双方でチャンピオンとなった。ガスガスのバイクは通算で15度のトライアル世界タイトルを獲得している[2]。
またエンデューロ世界選手権でも中小排気量クラスを中心に活躍し、7度のタイトルを獲得している。
2000年代は2ストロークエンジンのスポーツATV(全地形対応車、四輪バイク)も製造した。
競技用のナンバー取得不可モデルがメインだが、エントリーユーザー向けにHALLEY(ハレー)と呼ばれる公道走行可能な車両も製造している。
欧州の経済不況の煽りで経営不振に陥り、2015年に破産申請[3]。その後スペインの電動バイクメーカー「トロット」傘下に置かれた。
2019年にKTMの親会社であるピエラ・モビリティAGに買収された。これによりガスガス車はKTMとハスクバーナとのプラットフォームの共有が進むこととなる。
また競技の世界でもガスガスはKTMの一員として活動することとなり、スペイン車ブランドとしての初の栄冠を次々に掴み獲っている。サーキットでは2020年からロードレース世界選手権のMoto2/Moto3、2023年からテック3との提携でKTMを引き継いでMotoGPに参戦[4]。オフロードでも、エンデューロ世界選手権では2021年から[5]、モトクロス世界選手権では2022年からKTMのチーム及びマシン[6]を引き継いでファクトリー参戦[7][8]。前者はKTM時代から併せて3連覇を達成し[9]、後者でも2023年にMXGPクラスを初制覇した。世界ラリーレイド選手権とダカール・ラリーでも、KTM・450ラリーのリバッジ版であるRC450Fラリーを運用し、2022年に選手権とダカールの双方で総合優勝を果たしている[10][11]。
日本での販売
日本では設立当初から2009年までは亜路欧が、2010年から2014年10月末まではエスジャパン(総販売元:アルプスヴァン)が輸入販売を担当した。
2014年11月1日からは株式会社マーチがトライアル部門(GASGAS TRIAL JAPAN)、MVアグスタジャパンがエンデューロ部門(GASGAS ENDURO JAPAN)とモデルを分けて正規輸入元となっていたが、2016年11月1日以降はエンデューロ含めたすべてのGASGAS製品を株式会社マーチが総輸入元(GASGAS JAPAN)として輸入をおこなった[12]。
KTMとの同一グループ入りをした2020年からはKTM JAPANが「GASGAS MOTORCYCLES JAPAN」としてガスガス製品の正規輸入販売を行っている[13]。
名前の由来
ヨーロッパ(主にスペインやフランス)において、ガソリンの省略形である「gas」という単語は、「ガソリンを送り込む(step on the gas)」からの連想で「アクセルを開ける(→全開にする=速く走る、加速する)」という意味のスラングとして用いられている。あまり品の良くない表現であり、日本語におけるニュアンス的には「まくる」「ぶっちぎる」に近い。
用例として、スペインを拠点に活動しているトライアル元世界チャンピオンの藤波貴久は「フジガス」のニックネームで呼ばれ、意味は「アクセル全開の藤波」である。また、フランスのバイク漫画である「JOE BAR TEAM」では、レースをする登場人物が加速する場面で度々「GAAAZ!」という絶叫を上げている。
なお「Full gas!!」は上記から「アクセル全開だ!」「全速前進だ!」などが正しい和訳となるが、「ガソリン満タンだ!」と誤訳してしまうケースがしばし見られる。
社名は「gas」を重ねることで「より速く走る」ことを意味している。黎明期の米国での販売には「Fast Fast」というキャッチコピーも用いられた。
シリーズ
スーパーモタード
- SM
モトクロス
- MC
トライアル
- パンペーラ
- TXT
エンデューロ
- EC
- EC F
脚注
- ^ “Gas Gas Dirt Bikes And Their History”. DirtBikePlanet. 2023年9月9日閲覧。
- ^ a b “スペインのトライアル&エンデューロバイクブランドGAS GASが新たに KTMグループに加わった!”. モーターファン
- ^ “スペインのオフロードバイクメーカー「ガスガス」が破産を申請!”. For Ride. 2023年9月8日閲覧。
- ^ “GASGASがテック3とタッグを組み2023年からMotoGPクラスに参戦。ライダーはポル・エスパルガロが復帰参戦”
- ^ “GASGAS GO ENDUROGP RACING IN 2021!”. ガスガス. 2023年9月15日閲覧。
- ^ 当時のガスガスはモトクロスやエンデューロ用のマシンを製造していなかった
- ^ “DeCarli KTM Goes GasGas”. MotoHead. 2023年9月8日閲覧。
- ^ “EXPLAINED: KTM & GASGAS - THE 'REAL' STORY”. THE DIRT. 2023年9月15日閲覧。
- ^ “GASGAS FACTORY RACING’S ANDREA VERONA IS CROWNED 2022 ENDURO1 WORLD CHAMPION!”. ガスガス. 2023年9月15日閲覧。
- ^ “Sam Sunderland Wins the 2022 Dakar Rally for GasGas (And KTM)”. Asphalt & Rubber. 2023年9月8日閲覧。
- ^ “GASGAS FACTORY RACING’S SAM SUNDERLAND CROWNED 2022 FIM WORLD RALLY-RAID CHAMPION!”. ガスガス. 2023年9月15日閲覧。
- ^ “GASGAS ENDUROの総輸入元がMVアグスタからマーチへ”. バイクブロス
- ^ “ハスクバーナに続いてGASGASもKTMの仲間に 日本の正規ディーラーは9店舗から取り扱い開始”. バイクのニュース
外部リンク
- GASGAS - 公式ウェブサイト
- GASGAS (gasgas.official) - Facebook
- GASGAS (@gasgas.official) - Instagram
- GASGAS - YouTubeチャンネル
- ガスガスミュージアム - ウェイバックマシン(2016年1月29日アーカイブ分)
- GAS GAS JAPAN (GASGASMOTORCYCLESJAPAN) - Facebook
- GASGAS MOTORCYCLES JAPAN (@gasgasjapan) - Instagram
- GASGAS JAPAN (@gasgasjapan1985) - X(旧Twitter)
- ガスガストライアルジャパン - ウェイバックマシン(2016年11月3日アーカイブ分) - 株式会社マーチ
- ガスガスエンデューロジャパン - ウェイバックマシン(2015年9月30日アーカイブ分) - 株式会社MVアグスタジャパン
- ガスガスジャパン - ウェイバックマシン(2020年8月4日アーカイブ分) - 株式会社マーチ
ガス・ガス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/24 18:54 UTC 版)
ガス・ガス GusGus | |
---|---|
![]() ガス・ガス(2016年) | |
基本情報 | |
出身地 |
![]() |
ジャンル | 電子音楽、テクノ、ハウス、ダウンテンポ、アンビエント |
活動期間 | 1995年 - |
レーベル | OROOM、4AD、コンパクト |
公式サイト |
gusgus |
メンバー |
ダニエル・アグスト・ハラルドソン ビルギル・ソラリンソン マルグレト・ラン・マグナスドッティル |
ガス・ガス[注 1](GusGus)は、アイスランドのレイキャヴィーク出身の電子音楽バンド[1]。当初は映画と俳優の集団だったが、グループは主に電子音楽で知られている[2]。グループのディスコグラフィは11枚のスタジオ・アルバムで構成されている。
略歴
ガス・ガスは、1995年に映画と俳優の集団として結成された[2]。バンド名は、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督による1974年のドイツ映画『不安と魂』(原題(ドイツ語):Angst essen Seele auf、英:Ali: Fear Eats the Soul)に由来しており、そこでは女性キャラクターが恋人のために調理するクスクスのことを、「グスグス」と発音する[3]。ガス・ガスの音楽は折衷的で、主にテクノ、トリップ・ホップ、ハウスに分類されるが、バンドは他のスタイルも実験してきた[2]。彼らは、ビョーク、デペッシュ・モード、モロコ、シガー・ロスなどの人気アーティストの曲をリミックスしている。
バンドのメンバーはさまざまで、次のようなメンバーが含まれる。
- ダニエル・アグスト・ハラルドソン
- エミリアナ・トリーニ・ダヴィスドッティル
- マグナス・ヨンソン (別名ブレイク)
- ハフディス・ハルド・スラスタードッティル
- ウルズル・ハコナルドッティル (別名アース)
- ホグニ・エギルソン
- ビルギル・ソラリンソン (別名ビギ・ヴェイラまたはビゴ)
- マグナス・グズムンドソン (別名マギー・レゴ、ハーブ・レゴウィッツ、ハンク・オブ・ア・マン、バックマスター・デ・ラ・クルス、ザ・フォックス、ファックマスター、またはハー・レゴウィッツ)
- ステファン・スティーブンセン (別名プレジデント・ボンゴ、アルフレッド・モア、またはプレジデント・ペニス)
- シグルズル・キャルタンソン(別名シギ・キンスキー)
- ステファン・アルニ・ソルゲイルソン
- バルドゥル・ステファンソン (ファイナンシャル・アーツ・ディレクター、別名 DJ テクノ・ヨルゲンセン)
- ラグンヘイズル・アクセル
- ポール・ガルザルソン[2]
1997年、バンドはトロントで公演を行った。さらにアルバム『ディス・イズ・ノーマル』をサポートするツアーの一環として、二度目の訪問を行っている[4]。
1998年、楽曲「Purple」のリミックスが、ポール・オークンフォールドのトランス・コンピレーション『Tranceport』に収録された。
グループの3枚目のアルバム『ディス・イズ・ノーマル』(1999年)の後、ガス・ガスの映画制作部門(キャルタンソンとアルニ・ソルゲイルソン)は分離し、広告やビデオを制作する制作会社セレブレーター(現在はアーニ&キンスキーとして知られる)を設立した[5]。
2004年1月、彼らはイアン・ブラウンとともに楽曲「Desire」をリリースした。
2011年の時点で、バンドは世界中で700,000枚以上を売り上げた[6]。
2015年の時点で、メンバーは4名 (プレジデント・ボンゴ、ビギ・ヴェイラ、ウルズル・ハコナルドッティル、ダニエル・アグスト・ハラルドソン) で構成されている。ハフディス・ハルド、ブレイク、ダニエル・アグストなどの元メンバー数名はソロ活動を行っている。エミリアナ・トリーニは、ピーター・ジャクソン監督の映画『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』のサウンドトラックに曲を提供した。
ディスコグラフィ
スタジオ・アルバム
- Gus Gus (1995年)
- 『ポリディストーション』 - Polydistortion (1997年)
- 『ディス・イズ・ノーマル』 - This Is Normal (1999年)
- Gus Gus vs. T-World (2000年)
- Attention (2002年)
- 『FOREVER』 - Forever (2007年)
- 『24/7』 - 24/7 (2009年)
- 『アラビアン・ホース』 - Arabian Horse (2011年)
- 『メキシコ』 - Mexico (2014年)
- Lies Are More Flexible (2018年)
- Mobile Home (2021年)
ライブ・アルバム
- Mixed Live at Sirkus, Reykjavik (2003年)
コンピレーション・アルバム
- 15 ára (2010年)
脚注
注釈
- ^ 「ガスガス」の表記もある。実際の発音は「グスグス」に近い。
出典
- ^ “Gusgus”. Discogs.com. 2019年12月7日閲覧。
- ^ a b c d Colin Larkin, ed (2000). The Virgin Encyclopedia of Nineties Music (First ed.). Virgin Books. p. 183. ISBN 0-7535-0427-8
- ^ Gusgus Interview with Nina Asseng, Berlin 2007 Archived 2014-07-14 at the Wayback Machine. (comment by Daníel Ágúst, starting at 5:30)
- ^ "Live Reviews: Gus Gus May 6, 1999 Lee's Palace, Toronto". Chart Attack, by Mike McCann
- ^ “Arni & Kinski | Biography”. 2007年11月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月24日閲覧。
- ^ “New Gus Gus Album Premiered Onboard Flights | Icelandair”. 18.203.49.15. 2019年12月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年12月7日閲覧。
外部リンク
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