カメノコテントウとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 生物 > 動物名 > カメノコテントウの意味・解説 

亀子瓢虫

読み方:カメノコテントウ(kamenokotentou)

テントウムシ科昆虫

学名 Aiolocaria hexaspilota


カメノコテントウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/03 01:52 UTC 版)

カメノコテントウ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
上目 : 上目 Coleopterida
: コウチュウ目 Coleoptera
亜目 : カブトムシ亜目 Polyphaga
下目 : ヒラタムシ下目 Cucujiformia
上科 : ヒラタムシ上科 Cucujoidea
: テントウムシ科 Coccinellidae
亜科 : テントウムシ亜科 Coccinellinae
: Vibidia
: カメノコテントウ V, duodecimguttata
学名
Vibidia duodecimguttata (Poda von Neuhaus, 1761)
和名
カメノコテントウ

カメノコテントウ Aiolocaria hexaspilota (Hope, 1831) はテントウムシ科昆虫の1種。この仲間では特に大きい種で、背面には赤の地に黒い亀甲紋を持つ。

特徴

体長11~13mmに達する大型のテントウムシ[1]。体形は半球形で表面は光沢が強い。全体に艶のある黒色で、前胸背の両側に橙黄色の、前翅と腹部の縁沿いに橙赤色の斑紋がある。頭部は小さく、やや荒い点刻が密集しており、また淡褐色の短い毛がある。前胸背は幅が広く、またその前の縁は深く抉れた形になっている。側面は丸くて少し反り返っており、後ろの両端は丸くなっている。また背面の点刻は頭部よりずっと細かくて弱い。前胸背の両側に橙黄色の斑紋があるが、その外側の縁沿いには狭く黒い部分が残っている。前翅の表面は前胸背とほぼ同様で、亀甲状の橙赤色の斑紋がある。ただし斑紋の形には個体差がある。希ながら前翅全体が完全に黒になった黒色型も見られる[2]。またその外側の縁は少し反り返っており、また縫合線も合わせて常に狭い黒色の部分に縁取られている。

幼虫は紡錘形をしており、紅色を帯びた暗褐色である[3]。腹部の体節にはそれぞれに3対の黒くて円錐形の突起が並んでいる。

分布

日本では北海道本州四国九州で見られ、国外では台湾中国の南部、ヒマラヤインド北部に分布する[4]

生態など

成虫は5月頃から出現する[5]ノグルミサワグルミオニグルミなどの葉を食害するクルミハムシの幼虫を捕食する。5~6月にクルミ類の葉裏に産卵する。はオレンジ色をしており、20~40個の塊として生み付けられる。幼虫もクルミハムシの幼虫を餌とする。約2週間で幼虫は成熟し、葉裏で蛹化する。越冬は成虫で行い、しばしば枯れ葉や石の下で集団越冬しているのが観察される。

分類など

石井他編(1950)では A. mirabilis の学名が使われており、A. hexaspilota はインドから中国に産するもので、あるいは本種と同一かもしれないと記されている。黒澤他(1985)では頭記の学名を採っており、他方で近縁の別種としてナガカメノコテントウに A. mirabilis の学名を当てている[6]。ただし坂本(2005)ではこの二者について別種とする説もある、と記しており、判断は定まっていないようである。なお黒澤他(1985)では上記のように本種も北海道に分布するとしており、北海道ではこの2つの型がどちらも見られる、ということのようである。

本種と同属のものとしては黒澤他(1985)に上記のナガカメノコテントウが取り上げられているのみで、この種は本種に比べてやや細長い体形をしており、本種では前胸背の後端の幅が前翅部の前端の幅に対して約3/4であり、この種ではこの比が4/5程度である、という。

本種はその大きさと斑紋が独特で他に似た種はない。斑紋の点ではやや似ているのがヒメカメノコテントウ Propylea japonica やこれと同属のコカメノコテントウ P. quatuordecimpunctata であるが、これら2種は共に体長が大きいものでも5mmに達せず、本種の約半分しかないので混同する可能性はない。

ちなみに本種の体長は一般に知られるテントウムシであるナナホシテントウ Coccinella septempunctataナミテントウ Harmonia axyrides が約8mmなので、それに比べると一回り以上は大きく見える。日本では他にオオテントウ Synonycha grandis が大きいもので13mmに、同属のハラグロオオテントウ S. superba が12mm になり、本種よりやや大きいか同程度になる。

利害

クルミハムシを捕食するので益虫である[7]。ただしこのような表現は確認した出典では他には見られず、その評価は高くないと思われる。

出典

  1. ^ 以下、主として石井他編(1950) p.1100.
  2. ^ 坂本(2018) p.25.
  3. ^ 志村編(2005) p.247.
  4. ^ 黒澤他(1985) p.268.
  5. ^ 以下、主として志村編(2005) p.247.
  6. ^ 黒澤他(1985) p.268.
  7. ^ 中根監修(1995) p.131.

参考文献

  • 石井悌他編、『日本昆蟲圖鑑』、(1950)、北隆館
  • 黒澤良彦他、『原色日本甲虫図鑑 III』2刷、(1992)、保育社
  • 中根猛彦監修、『原色日本甲虫図鑑(上)・甲虫編』増補改訂第44刷、(1995)、保育社
  • 志村隆編、『日本産幼虫図鑑』、(2005)、学習研究社
  • 坂本優介、『テントウムシ ハンドブック』、(2005)、文一総合出版

「カメノコテントウ」の例文・使い方・用例・文例

  • カメノコテントウという動物
Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「カメノコテントウ」の関連用語

カメノコテントウのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



カメノコテントウのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのカメノコテントウ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS