オルメカ様式の石彫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/24 14:24 UTC 版)
「アバフ・タカリク」の記事における「オルメカ様式の石彫」の解説
アバフ・タカリクには、オルメカ様式の石彫が多く見られる。丸石に刻んだ記念碑1号、浅浮き彫りの記念碑18号、深く曲線状に人物の坐像を刻み込んだ記念碑14号、メキシコ湾岸に見られる巨石人頭像タイプの記念碑23号、丸い形状の石彫の55号、テーブル状の祭壇のような記念碑57号などである。これらの石彫は、再利用ということがあれば、まさしくそのように再利用されて、もともとのものを壊したり、ひっくり返したり、分割したりして、利用している。たとえば、記念碑16号と17号は、もともと柱状の人頭像であったが基壇7号の上に置かれていた。また特筆すべきなのが23号で、中央グループの主神殿にあたる基壇5号の北側の基壇3号の東側にほかの石彫とならんで発見されたが、もともとの巨石人頭像の垂直軸に逆らって、その顔と眼球の部分を深く掘りこみ、巨石人頭の片方の耳の部分を削り取る形で、壁龕状におおきな「くぼみ」をつくり、足を交差させた人物の坐像を彫りこんでいる。巨石人頭像も「壁龕」の中の足を交差させた人物坐像もオルメカ様式のものである。これについて、ジョン・グラハムは、アバフ・タカリクがオルメカの支配下にあって、その支配者の下で働いていた職業彫刻家がオルメカの儀礼の文脈に合致する石彫をその支配者の指示のもとに造っていたと考えている。 アバフ・タカリク石碑2号
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