ウラン・鉛年代測定法を用いる対象
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 23:33 UTC 版)
「ウラン・鉛年代測定法」の記事における「ウラン・鉛年代測定法を用いる対象」の解説
ウラン・鉛年代測定法は、ジルコン (ZrSiO4) を含んだ鉱石に対して試みるのが普通である(ただし、ジルコン以外にも、モナズ石(リン酸塩鉱物の1種)、チタン石(クサビ石、CaTiOSiO4)、バッデリ石 (ZrO2) に対しても試みられる)。ジルコンは、結晶中にウランやトリウムを含有しやすいという性質がある反面、結晶中に鉛は非常に含有されにくいという性質も持っている。したがって、結晶になった後のジルコンの中に含有されている鉛は、ジルコンが冷え固まる時に結晶中に取り込まれたウランやトリウムが崩壊した結果生じたものであると見なすことができる。このため、ジルコンはウラン・鉛年代測定法を試みるのには都合の良い試料なのである(他にも、ジルコンに含有された天然の放射性物質の崩壊に伴って、ジルコンの結晶格子に傷が発生することも、正確な年代測定に役立つので好都合)。 なお、ウラン・鉛年代測定法を、炭酸塩鉱物(方解石やアラレ石など)に用いる場合もある。ただし、通常の炭酸塩鉱物にウラン・鉛年代測定法を用いても、火成岩や変成岩に含まれる鉱物にウラン・鉛年代測定法を用いるのと比べて、どうしても年代測定の正確性は劣ってしまうという欠点が存在する。
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