ウェンアメンの航海
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/17 14:30 UTC 版)
「スメンデス1世」の記事における「ウェンアメンの航海」の解説
タニスの支配者としてのネスバネブジェドはウェンアメンの航海の記録に詳しく記述されている。 王の治世5年、アメンの大神官ヘリホルの命を受けたウェンアメンは、建築資材のレバノン杉を買い付けるべく使者としてビブロスに派遣された。ネスバネブジェドはウェンアメンが北へ向かう許可を求めて立ち寄ったタニスの支配者として登場する。その後ウェンアメンは、航海の途上で反乱に遭って無一文となり、這う這うの体でビブロスに辿りついた。その姿を見たビブロスの領主は木材の引き渡しを拒み、ネスバネブジェドが代金を立て替えるまでの間、ウェンアメンを拘束したとされる。 大国としてのエジプトの権威の凋落ぶりが表現されたこの物語は、ラムセス11世の治世24年目頃のものと考えられている。しかし、この第5年という日付が実際にどの王の治世なのかははっきりとは分かっていない。一部の研究者はテーベの統治者として「ウヘム・メスウト(再生)」の年号を起用した大司祭ヘリホルの任期を示すとみなしている。しかし、ヘリホルとピアンキの統治の順序については議論が続いており、ヘリホルがラムセス11世よりも長く生きたとする見解も存在する 。この場合、ウェンアメンの航海の日付はラムセス11世ではなく、むしろその後継者のいずれか、即ちネスバネブジェドの治世である可能性がある
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