ウェルズ_(メイン州)とは? わかりやすく解説

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ウェルズ (メイン州)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/06 09:42 UTC 版)

ウェルズ
Wells
ウェルズ町役場
標語: 
メイン州で最も友好的な町
ウェルズ
メイン州内の位置
北緯43度19分13秒 西経70度36分42秒 / 北緯43.32028度 西経70.61167度 / 43.32028; -70.61167座標: 北緯43度19分13秒 西経70度36分42秒 / 北緯43.32028度 西経70.61167度 / 43.32028; -70.61167
アメリカ合衆国
 メイン州
ヨーク郡
設立 1643年
法人化 1653年
政府
 • 種別 タウンミーティング、町政委員会、町マネジャー
 • 町マネジャー ジョナサン・カーター
面積
[1]
 • 合計 73.61 mi2 (190.65 km2)
 • 陸地 57.55 mi2 (149.05 km2)
 • 水域 16.06 mi2 (41.60 km2)
標高
177 ft (54 m)
人口
(2020年)[2]
 • 合計 11,314人
 • 密度 150人/mi2 (59人/km2)
等時帯 UTC-5 (東部標準時)
 • 夏時間 UTC-4 (東部夏時間)
郵便番号
04054(ムーディ)、04090(ウェルズ)
市外局番 207
FIPS code 23-81475
GNIS feature ID 0582799
ウェブサイト www.wellstown.org

ウェルズ: Wells)は、アメリカ合衆国メイン州ヨーク郡にある町。人口は1万1314人(2020年)。1643年に設立され、メイン州では古い方から3番目の町である[3]。夏の休暇を過ごす観光地として人気がある。

歴史

アベナキ族インディアンがこの地域をウェバネットと呼んでおり、「清澄な流れで」という意味であり、ウェバネット川のことを言っていた。イングランドの毛糸生産地ティッチフィールドからの移民であるエドマンド・リトルフィールドが、ウェバネット川沿いのウェルズの新しい土地に最初の製粉所を建設し、後には毛糸工場を建設したことで「ウェルズの父」と呼ばれた。現在そこには地域へのリトルフィールドの貢献を記念した記念碑がある。1622年、イングランドのプリマス会社がメインの領主フェルディナンド・ゴージズ卿にウェルズ・プランテーションを含む領土を与えた。ゴージズの若い従弟トマス・ゴージズが副官と代理人として行動し、1641年にはニューハンプシャーエクセターから来たジョン・ウィールライトなど開拓者に、オガンクイット川の北東からケネバンク川の南西までの土地に入植させる権利を与えた。1647年にフェルディナンド・ゴージズが死んだ後、マサチューセッツ湾植民地がメインの領有権を登録した。1653年、ウェルズは法人化されて、メインでは3番目の町となり、イングランドのサマセットにある小さな大聖堂のある都市ウェルズに因んで名付けられた。この時はケネバンクの町を含んでいたが、メインが州に昇格した1820年に分離した。また1913年にメイン州議会からウェルズの中のビレッジに指定されていたオガンクィット町は、1980年に分離した[4]

ウェルズはイングランド人開拓者の伸び縮みする北東部フロンティアにあった。アカディアと呼ばれるヌーベルフランスの領土と考えられる所に、ニューイングランドから侵入してくることに不満を持っていたフランス人と同盟するインディアンから攻撃される可能性があったので、幾つかの砦や駐屯地を除けば、ウェルズより北のメインを植民地化する初期の試みは放棄されたままだった。ウェルズは1692年のウェルズ襲撃を始め3度の攻撃を受けた。しかし、1745年のルイブールの戦いの後は危険性が無くなった[4]

ウェルズの初期開拓者の多くが大陸軍に加わり、サミュエル・グーチ大尉、ナサニエル・リトルフィールド大尉、ジェレマイア・ストーラー大尉など独立戦争の英雄になった。ポスト道路沿いにあるオーシャンビュー墓地には、南北戦争の記念碑があり、従軍した者の名が記されている。ポスト道路からサンフォード道路にファウンダーズ公園があり、歩道、ピクニック場がある他、最初の開拓地の家屋も残っている。ここの記念碑には町の設立者家族の名前が記されている。

ウェルズの町は農業社会として発展し、干し草や野菜を育てた。その他に造船業や漁業が栄えた。19世紀、鉄道が開通し、町の美しい海浜に観光客が訪れるようになった。海岸沿いに多くの宿屋やホテルが建設された。今日、観光業は地域経済で重要な地位を占めている[5]

ウェルズ設立350周年を祝うパレードで更新するウェルズ警察署員

2003年、ウェルズは設立350周年を祝った[6]。この1年間を通じた祝祭では、大晦日の花火大会、パレード、巡回中のロシア・サーカスの訪問、コンサート、歴史的行事の再現などがあった。町は祝祭委員会の委員クリスティ・ボースとに、町旗をデザインするよう発注した。そのデザインは町の開拓と建築物の歴史的な面を取り入れ、さらに2003年の町役場と列車による観光に焦点を当てた。またこのプロジェクトのために作られたモットー、「過去を誇り、未来に備える」も表示された[7]

地理

ウェルズ町役場、1922年

ウェルズはメイン州南部海岸にあり、北東はケネバンク町、北西はサンフォード市、西はノースバーウィック町、南西はサウスバーウィック町、南はオガンクィット町に接している。

アメリカ合衆国国勢調査局に拠れば、市域全面積は73.61平方マイル (190.65 km2)であり、このうち陸地57.55平方マイル (149.05 km2)、水域は16.06平方マイル (41.60 km2)で水域率は21.82%である[1]。ウェルズ市内をウェバネット川が流れている。

ウェルズは、ポートランドサウスポートランドビデフォード大都市圏に属している。

交通

鉄道

ウェルズ駅
ボストン・アンド・メイン鉄道駅(1910年)

アムトラックウェルズ駅はサンフォード・ロード696にある[8]。ブランズウィックとボストン間の昼行中距離列車ダウンイースター号英語版が1日5往復停車する[9]。当駅は州間高速道路95号線に近く、パーク・アンド・ライド方式の駐車場もある。

道路

ウェルズと他の町を繋ぐ回廊は下記の通りである。

教育

ウェルズ・ジュニア高校、1937年に3番目のウェルズ高校として建設された

ウェルズ町内には教育機関が4つある。ウェルズ小学校(幼稚園から4年生)、ウェルズ・ジュニア高校(5年生から8年生)、ウェルズ高校(9年生から12年生、成人教育も担当)、およびヨーク郡コミュニティカレッジである。

ウェルズはウェルズ・オガンクィット・コミュニティ教育学区に入っている。

礼拝所

第一会衆派教会、現在は集会所博物館

バプテスト

  • ハイパイン・バプテスト教会[11]
  • ウェルズ・ブランチ・バプテスト教会[12]

キリスト教、各宗派共通

  • メサイア・キリスト教会[13]

チャーチ・オブ・ザ・ナザレン

  • ライトハウス・チャーチ・オブ・ザ・ナザレン[14]

ペンテコスタル

  • マウント・ザイオン礼拝堂[15]

ローマ・カトリック

  • セントメアリーズ教会[16]

ユナイテッド・チャーチ・オブ・クライスト

  • ウェルズ会衆派教会[17]

見どころ

ウェルズ・ビーチ、1908年
  • ビーチは総延長7マイル (11 km) あり、公営駐車場を備えている。ドレイクス島ビーチ、東海岸ビーチ、ウェルズ・ビーチと民営のムーディ・ビーチがある
  • 「アンティークス・マイル」 - ポスト道路のウェルズ・センターとウェルズとケネベック町境線の間に多くのアンティークな屋台が並ぶ[18]
  • ディビジョン9校舎博物館[19]
  • ウェルズ・アンド・オガンクィット歴史協会 - 集会所博物館と図書館[20] - ウェルズの第一会衆派教会だった建物を使っている
  • メイン・ダイナー
  • レイチェル・カーソン国定野生生物保護区
  • ウェルズ・ファーマーズマーケット[21]
  • ウェルズ港コミュニティ公園[22]
  • ウェルズ港サマー・コンサート・シリーズ[23]
  • ウェルズ国定河口研究保存地と歴史あるラウドホーム農園[24]
  • ウェルズ公共図書館[25]
  • ワンダー・マウンテン・ファン公園[26]

著名な出身者

ウェルズ高校マーチングバンド
ウェルズ消防署梯子車#6

人口動態

人口推移
人口
1790 3,070
1800 3,692 20.3%
1810 4,489 21.6%
1820 2,660 −40.7%
1830 2,978 12.0%
1840 2,978 0.0%
1850 2,945 −1.1%
1860 2,878 −2.3%
1870 2,773 −3.6%
1880 2,450 −11.6%
1890 2,029 −17.2%
1900 2,007 −1.1%
1910 1,908 −4.9%
1920 1,943 1.8%
1930 2,047 5.4%
1940 2,144 4.7%
1950 2,321 8.3%
1960 3,528 52.0%
1970 4,448 26.1%
1980 8,211 84.6%
1990 7,778 −5.3%
2000 9,400 20.9%
2010 9,589 2.0%
2020 11,314 18.0%
[27][28][29]

2010年国勢調査

以下は2010年の国勢調査による人口統計データである[30]

基礎データ

  • 人口: 9,589 人
  • 世帯数: 4,120 世帯
  • 家族数: 2,734 家族
  • 人口密度: 64.3人/km2(229.2 人/mi2
  • 住居数: 8,557 軒
  • 住居密度: 57.4 軒/km2(148.7 軒/mi2

人種別人口構成

年齢別人口構成

  • 18歳未満: 18.6%
  • 18-24歳: 5.4%
  • 25-44歳: 20.2%
  • 45-64歳: 34.8%
  • 65歳以上: 21%
  • 年齢の中央値: 49歳
  • 性比(女性100人あたり男性の人口)
    • 総人口: 93.4

世帯と家族(対世帯数)

  • 18歳未満の子供がいる: 24.5%
  • 結婚・同居している夫婦: 54.6%
  • 未婚・離婚・死別女性が世帯主: 8.1%
  • 非家族世帯: 33.6%
  • 単身世帯: 26.2%
  • 65歳以上の老人1人暮らし: 11.4%
  • 平均構成人数
    • 世帯: 2.30人
    • 家族: 2.77人

2000年国勢調査

以下は2000年の国勢調査による人口統計データである[31]

基礎データ

  • 人口: 9,400 人
  • 世帯数: 4,004 世帯
  • 家族数: 2,690 家族
  • 人口密度: 63.0人/km2(163.1 人/mi2
  • 住居数: 7,794 軒
  • 住居密度: 52.2軒/km2(135.2 軒/mi2

人種別人口構成

年齢別人口構成

  • 18歳未満: 21.0%
  • 18-24歳: 5.6%
  • 25-44歳: 26.4%
  • 45-64歳: 30.2%
  • 65歳以上: 16.9%
  • 年齢の中央値: 43歳
  • 性比(女性100人あたり男性の人口)
    • 総人口: 94.8
    • 18歳以上: 92.0

世帯と家族(対世帯数)

  • 18歳未満の子供がいる: 25.6%
  • 結婚・同居している夫婦: 57.7%
  • 未婚・離婚・死別女性が世帯主: 6.7%
  • 非家族世帯: 32.8%
  • 単身世帯: 26.3%
  • 65歳以上の老人1人暮らし: 11.0%
  • 平均構成人数
    • 世帯: 2.35人
    • 家族: 2.85人

収入

収入と家計

  • 収入の中央値
    • 世帯: 46,314米ドル
    • 家族: 53,644米ドル
    • 性別
      • 男性: 39,682米ドル
      • 女性: 28,463米ドル
  • 人口1人あたり収入: 23,130米ドル
  • 貧困線以下
    • 対人口: 5.4%
    • 対家族数: 3.1%
    • 18歳未満: 3.6%
    • 65歳以上: 5.6%

ギャラリー

脚注

  1. ^ a b US Gazetteer files 2010”. United States Census Bureau. 16 December 2012閲覧。
  2. ^ Quickfacts.census.gov”. 24 Nov 2023閲覧。
  3. ^ Geo. J. Varney. "History of Wells, Maine." A Gazetteer of the State of Maine, Published by B. B. Russell, 57 Cornhill, Boston 1886. Transcribed by Betsey S. Webber.
  4. ^ a b Coolidge, Austin J.; John B. Mansfield (1859). A History and Description of New England. Boston, Massachusetts. pp. 349–353. https://books.google.co.jp/books?id=OcoMAAAAYAAJ&lpg=PA9&ots=cUndZkVSIF&dq=coolidge+mansfield+history+description+new+england+1859&pg=PA349&redir_esc=y&hl=ja#v=onepage&q&f=false 
  5. ^ Varney, George J. (1886), Gazetteer of the state of Maine. Wells, Boston: Russell, http://history.rays-place.com/me/wells-me.htm 
  6. ^ Hagan, Jennifer (1 January 2004). “Kids Circus fitting finale for celebration”. York County Coast Star. http://archive.seacoastonline.com/2003news/yorkstar/ys1_1a.htm 27 July 2010閲覧。 
  7. ^ Hope M. Shelley, "A History of Wells, Maine
  8. ^ Wells, ME. Amtrak. 2016年7月2日閲覧
  9. ^ Downeaster. P2. Amtrak. 2016年5月23日. 2016年7月2日閲覧 (PDFファイル)
  10. ^ The Eastern Trail
  11. ^ Highpine Baptist Church
  12. ^ Wells Branch Baptist Church
  13. ^ Messiah Christian Church
  14. ^ Lighthouse Church of the Nazarene
  15. ^ Mount Zion Chapel
  16. ^ Saint Mary's Church
  17. ^ Congregational Church of Wells
  18. ^ 10 things to do in Wells”. 28 May 2014閲覧。
  19. ^ Division 9 Schoolhouse Museum
  20. ^ Historical Society of Wells & Ogunquit - Meetinghouse Museum & Library
  21. ^ Wells Farmers' Market
  22. ^ Wells Harbor Community Park
  23. ^ Wells Harbor Summer Concert Series
  24. ^ Historic Laudholm Farm
  25. ^ Wells Public Library
  26. ^ Wonder Mountain Fun Park
  27. ^ http://www.census.gov/population/www/censusdata/cencounts/files/me190090.txt
  28. ^ http://factfinder2.census.gov/faces/tableservices/jsf/pages/productview.xhtml?pid=DEC_10_PL_QTPL&prodType=table
  29. ^ http://mapserver.lib.virginia.edu/
  30. ^ American FactFinder”. United States Census Bureau. 2012年11月23日閲覧。
  31. ^ American FactFinder”. United States Census Bureau. 2008年1月31日閲覧。

参考文献

  • Wright, Virginia. “Shifting Sands: Wells”. Down East: The Magazine of Maine (November 2007). 

外部リンク


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