ウイルス感染に対する役割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/22 07:15 UTC 版)
「TLR3」の記事における「ウイルス感染に対する役割」の解説
TLR3は自然免疫系に属する分子である。自然免疫で中心的な役割を果たす樹状細胞に於いては、従来から用いられてきた樹状細胞であるcDCに発現しているが、近年明らかになった、ウイルス感染時にI型インターフェロン産生を行う樹状細胞であるpDCには発現していない。なおpDCでは、TLR7が、おもにウイルス由来のRNAを認識する。またcDCに於いては、細胞質内にRIG-Iと呼ばれるウイルスのRNAを認識するセンサー分子が存在し、TLR3がウイルスのRNA認識に果たす役割は疑問視する声も一部にある。 最近になり、樹状細胞などが、ウイルス感染細胞を貪食することによって細胞傷害性T細胞(Cytotoxic T cell: CTL)を活性化するクロスプライミングにTLR3が関与することが報告されている。これにより、樹状細胞に感染しないウイルスも樹状細胞に感染細胞が貪食されることで、CTLの誘導が可能になる。 また、ウイルスだけではなく、日焼けにおいてもTLR3が関与していることが報告された。紫外線(UVB)にケラチノサイトが曝露されると、変異した二本鎖microRNAが放出され、それが周囲のケラチノサイトや単核球(PBMCs)のTLR3-TRIF経路によって認識される。周囲の細胞ではTNF-αやIL-6が産生され、炎症が起き、一般に日焼けと呼ばれる現象を引き起こす。
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