インナーシティの発生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 23:37 UTC 版)
「インナーシティ」の記事における「インナーシティの発生」の解説
インナーシティ(都心近接低所得地域、都市内集落)は、世界各地の都市で見られる。都市の大小に依存してインナーシティの大小が決まるものではなく、その国や州などの政策、都市の歴史・産業構造・不景気などによって発生する。また、都心近接の低開発地域が、必ずしもインナーシティ化するわけではなく、都心近接高級住宅街がインナーシティ化する例もある。 先進国における大まかな発生機序は2つある。1つ目は、都市内の機能性地区が、様々な理由でその機能を失って低所得(失業)地区となり、治安悪化と共に孤立したインナーシティになる場合(地区の機能低下)で、都市内の工業地区や商店街が、時代の変化についていけずに取り残されることによって発生する。2つ目は、都市内において住環境が悪いために低家賃な地区(低湿地・上下水道未設置地区・前近代的住居密集地などの低開発地区)に、低所得な移民などの新住民が大量に住みつくことで地区の地縁性や住民の交流が崩れてしまい、治安が悪化してインナーシティになる場合(地縁性・コミュニティの崩壊)である。低所得地区であっても、機能性や地縁性が維持されるとインナーシティになりづらい。 なお、都市住民のほとんどが低所得である近世・近代都市では、庶民の所得格差があまりないためインナーシティ問題はおきづらい。しかし、産業発展で中産階級が増大すると、低所得から抜け出せない地区が発生し、ここに治安悪化が重なるとインナーシティとして取り残される。
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