イッキ飲みの強要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 05:24 UTC 版)
「アルコールハラスメント」の記事における「イッキ飲みの強要」の解説
イッキ飲み(一気飲みとも)は、1980年代頃から大学生らの間で流行した、一息に酒を飲み干す行為のことで、当初はビールなどのアルコール度数の低い酒を大ジョッキで飲み干す、一種のお座敷芸だった。しかしこれが次第に、場を盛り上げるために「コール」(英:callと同義)と呼ばれる囃し立てと共に他人に強要されるようになってくると、場をしらけさせているとして下戸までもがイッキ飲みを強要されるようになってきた(→場の空気)。 イッキ飲みが一種の度胸試しのようになってくると、次第にアルコール度数の高い酒を飲み干すことを求められるケースも多くなってきた。中には飲んだら強引に吐かせ、さらに飲ませるという行為まで横行し、飲食店や飲み屋側は酒が売れるならと見て見ぬ振りをすることもあったことが、問題を深刻化させた。 特に、進学シーズンともなると、毎年のように新入生がコンパなどでこのイッキ飲みを強要された挙句、急性アルコール中毒で救急病院に担ぎ込まれるケースが続発し、毎年のように死亡者が多数出る。そのため、今日では店側がイッキ飲みを禁止、制止している場合も少なくない。さらに、二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律により、20歳未満の飲酒と購入、20歳未満への販売・提供が禁止されているが、新入生のほとんどは18-19歳で飲酒経験もなく、もし20歳未満の者に上記のような事態が発生した場合は、酒を販売・提供した店側の責任も問われることになる。最近では、来店者に年齢確認が可能な公的書類(≒身分証明書)の提示を求め、持っていない者や確認出来た20歳未満の者の入店自体を断る店も増えてきている。 塩川正十郎の甥が大学で一気飲みを強要されて急性アルコール中毒で急死し、当時官房長官だった塩川は朝日新聞への投書でこの風潮に問題提起している。
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