イギリスの黒杖官
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/29 04:32 UTC 版)
イギリスの黒杖官は、一般には、上院の儀礼に大きな役割を果たす役職として知られている。黒杖官の職務としてもっとも知られるのは、議会の開会式の際、上院で行われる国王演説のため、庶民院(下院)に控える下院議員に召喚の命を伝える使者としての役割である。黒杖官が現れると下院は扉を閉め、黒杖官が扉を3度たたくと扉を開けるという習わしがある。 ガーター騎士団の事務長としての役割もある。 黒杖官の重要な任務として貴族院内の紀律を保持するための議院警察権の行使や、院内の施設管理を統括することがある。黒杖官は、英国議会議事堂(ウェストミンスター宮殿)の上院区域において秩序を乱したものを逮捕する権限をもち、その職務に関する権限は下院における守衛官(Serjeant-at-Arms)と同等である。上院区域に勤務する門衛(Doorkeeper)やロンドン警視庁議会警備隊の警察官は、黒杖官の指揮の下において職務執行を行っている。 2018年からは女性として初めてサラ・クラーク(英語版)が黒杖官を務めることとなった。
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