アープの仮説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/31 21:35 UTC 版)
1966年、338の典型的ではない銀河を集めたアープ・アトラスを出版した。彼はこのカタログを使って銀河の形成を解明することを目標としていた。1番から101番までのグループはどちらかと言えば平凡な銀河であったが、小さな天体を伴っていた。1967年にアープはこれらのいくつかはクエーサーとしてリストアップされていることに気づいた。いくつかの写真ではクエーサーは銀河の手前にあり、他方では2つの天体に「橋」がかかっていた。このことはそれらが非常に近い場所にあることを暗示していた。もしそうであるならハッブルの法則に従えば似かよった赤方偏移を示すはずであったが、銀河の赤方偏移はクエーサーのものよりも小さなものであった。アープは赤方偏移は宇宙の膨張によるものではなく、非宇宙論的なもの、もしくは固有の赤方偏移をもつからだと論じた。また、アープはクエーサーが宇宙に均一に存在しているわけではなく、銀河近傍においてより多く分布していることに気付いた。これらの論拠から、アープはクエーサーは、活動銀河核から放出された天体であり、親銀河と同程度の距離に存在するという仮説を立てた。この仮説はM87やケンタウルス座Aのような強い電波を放出している銀河によって補強されるとしている。 クエーサーの研究からビッグバン理論は誤っていて、銀河の赤方偏移は赤方偏移の量子化論で説明できるとしている。
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