アンドレ・ミラーとは? わかりやすく解説

アンドレ・ミラー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/11 00:15 UTC 版)

アンドレ・ミラー
Andre Miller
ワシントン・ウィザーズでのミラー
(2014年)
グランドラピッズ・ゴールド HC
役職 ヘッドコーチ
所属リーグ NBAGリーグ
基本情報
愛称 The Penguin
The Professor[1]
国籍 アメリカ合衆国
生年月日 (1976-03-19) 1976年3月19日(49歳)
出身地 カリフォルニア州ロサンゼルス
身長(現役時) 191cm (6 ft 3 in)
体重(現役時) 91kg (201 lb)
ウィングスパン(現役時) 193cm  (6 ft 4 in)
キャリア情報
高校 バーバムデイ高等学校
大学 ユタ大学
NBAドラフト 1999年 / 1巡目 / 全体8位[1]
プロ選手期間 1999年–2016年
ポジション PG
背番号歴 24, 7, 22
指導者期間 2022年–現在
経歴
選手時代:
19992002 クリーブランド・キャバリアーズ
2002–2003 ロサンゼルス・クリッパーズ
20032006 デンバー・ナゲッツ
20062009 フィラデルフィア・76ers
20092011 ポートランド・トレイルブレイザーズ
20112014 デンバー・ナゲッツ
20142015 ワシントン・ウィザーズ
2015 サクラメント・キングス
2015–2016 ミネソタ・ティンバーウルブズ
2016 サンアントニオ・スパーズ
コーチ時代:
2022– グランドラピッズ・ゴールド
受賞歴
通算成績
得点 16,278 (12.5 ppg)
リバウンド 4,795 (3.7 rpg)
アシスト 8,524 (6.5 apg)
Stats Basketball-Reference.com
Stats  NBA.com 選手情報 NBA.Rakuten
代表歴
キャップ アメリカ合衆国
獲得メダル
男子バスケットボール
 アメリカ
グッドウィルゲームズ
1998 ニューヨーク
2001 ブリスベン

アンドレ・ロイド・ミラーAndre Lloyd Miller , 1976年3月19日 - )はアメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス出身のバスケットボール選手。身長188cm、体重93kg。ポジションはポイントガードNBAデンバー・ナゲッツなどに所属していた。

経歴

学生時代

ロサンゼルスのハイスクールを卒業後[2]ユタ大学に4年間在籍。1998年NCAAトーナメントではトリプルダブルを記録した。また大学史上初めて決勝戦に進出したが、惜しくもケンタッキー大学に敗れ去った。なお、この年以降、ユタ大学は決勝に進出していない。また、キース・ヴァン・ホーンマイケル・ドレアックとチームメイトだった。平均12.1 得点、5.4 アシスト、4.8 リバウンドの記録を残し、歴代記録となる254スティール、歴代2位の721アシストを記録した[3]。専攻では社会学の学士号を取得した。

NBA

クリーブランド・キャバリアーズ

1999年のNBAドラフトにおいてクリーブランド・キャバリアーズから全体8位指名を受けた。ルーキーイヤーの1999-00シーズンから82試合フル出場を果たした。特に2月からは先発の座を掴み、この年は11.1得点、5.8アシストを記録し、新人選手として好成績を残した。その後2シーズン、2000-01シーズンはフル出場を果たし、全試合で先発出場、シーズンのアシストランクでは6位となる8を記録した。。2001-02シーズンは1試合欠場したのみだった。3年目には平均得点とアシストでシーズンダブルダブルを記録、10.9ポイントでNBAのアシスト王に輝くなど個人成績は軒並み上昇したが、チームには得点源となる選手がおらず低迷。いずれもプレイオフには遠い成績だった。

2002年バスケットボール世界選手権アメリカ代表に選出[4]。9試合に出場し、10.7得点、4.1アシストを記録した。

ロサンゼルス・クリッパーズ

7月30日にダリアス・マイルズハロルド・ジェイミソン英語版とのトレードで、ブライアント・スミス英語版と共にロサンゼルス・クリッパーズへ移籍した[5]。2002-03シーズンは80試合に先発出場したが、キャバリアーズと同様に低迷を続けていたチームだけあって27勝55敗という不本意な成績に終わった。また、個人成績も前年を下回ってしまった。ちなみに11月には当時のキャリアハイとなる37得点を記録している。

デンバー・ナゲッツ

2003年8月1日にデンバー・ナゲッツと6年契約を結んだ。チームにはルーキーとしてカーメロ・アンソニーが入団したことから5割以上の成績をキープ。ミラーは司令塔として82試合フル出場し、この年、自身初のプレイオフを経験した。その後2シーズンもナゲッツに在籍し、故障することなく全試合に出場するなど屈強な身体でチームに貢献した。プレイオフでは1回戦の壁が立ちはだかり、2回戦に進出することはなかった。2005-06シーズンのアシストランクでは6位となる8.2を記録した。

フィラデルフィア・76ers

ナゲッツ在籍4シーズン目となった2006年12月19日アレン・アイバーソンらとのトレードでフィラデルフィア・76ersへ移籍[6]。またしても再建を図るチームへの移籍となった。1試合あたりのアシストはリーグ7位の7.8を記録、トータルのアシスト数も625とリーグ4位に入るなど好調を維持した。2007-08シーズンにはキャリアハイとなるレギュラーシーズン1試合平均17得点を記録するなど、チームをプレーオフに導く活躍を見せた。

ポートランド・トレイルブレイザーズ

スティーブ・ナッシュ(左)をディフェンスするミラー

2009年7月24日にポートランド・トレイルブレイザーズと3年総額2,100万ドルの契約を結んだ[7][8]。2010年1月30日のダラス・マーベリックス戦ではキャリアハイを更新する52得点を記録した。

ナゲッツ復帰

2011年のNBAドラフト当日にレイモンド・フェルトンとのトレードで、ジョーダン・ハミルトンのドラフト交渉権と共に古巣であるデンバー・ナゲッツへ移籍した[9]。2013年1月のミネソタ・ティンバーウルブズ戦でキャリア通算15000得点を達成した。

ワシントン・ウィザーズ

2014年2月20日に3チームが絡むトレードでワシントン・ウィザーズへ移籍した[10]

サクラメント・キングス

2015年2月19日にレイモン・セッションズとのトレードでサクラメント・キングスへ移籍した[11]

ミネソタ・ティンバーウルブズ

2015年7月29日にミネソタ・ティンバーウルブズと契約したが[12]、26試合に出場した後、2月25日にバイアウト合意に伴いウェイブされた。

サンアントニオ・スパーズ

2016年2月29日にサンアントニオ・スパーズとシーズン終了までの契約を結んだ[13][14]

NBAで通算16000得点・8000アシスト・1500スティールを超える堂々の成績を残しながら、最も過小評価された選手の一人とも考えられている[15]

プレイスタイル

デビュー以来、欠場したのは7シーズンでわずか3試合のみ。それほど故障をしない丈夫な肉体を保っているので「鉄人」と形容されることもしばしばある。アウトサイドからのシュートはないが、ドライブから切り込んでシュートを放つ。故障しないことから司令塔としても計算できる選手であり、キャリア平均1試合あたり35分近い出場時間があり、スタミナを携えた選手でもある。
戦術理解度が高くどのような選手と組んでも一定以上のスタッツを残せるコーチ陣としては実に計算しやすいポイントガードである。しかし、チームを選ばない選手ゆえにトレード候補になりやすい面も持ちあわせている。

個人成績

略称説明
  GP 出場試合数   GS  先発出場試合数  MPG  平均出場時間
 FG%  フィールドゴール成功率  3P%  スリーポイント成功率  FT%  フリースロー成功率
 RPG  平均リバウンド  APG  平均アシスト  SPG  平均スティール
 BPG  平均ブロック   TO  平均ターンオーバー数  PPG  平均得点
 太字  キャリアハイ  *  リーグリーダー  †  優勝シーズン

NBA

レギュラーシーズン

シーズン チーム GP GS MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG TO PPG
1999–00 CLE 82* 36 25.5 .449 .204 .774 3.4 5.8 1.0 .2 2.02 11.1
2000–01 82* 82* 34.7 .452 .266 .833 4.4 8.0 1.5 .3 3.23 15.8
2001–02 81 81 37.3 .454 .253 .817 4.7 10.9* 1.6 .4 3.02 16.5
2002–03 LAC 80 80 36.4 .406 .213 .795 4.0 6.7 1.2 .1 2.58 13.6
2003–04 DEN 82* 82* 34.6 .457 .185 .832 4.5 6.1 1.7 .3 2.62 14.8
2004–05 82* 82* 34.8 .477 .154 .838 4.1 6.9 1.5 .1 2.68 13.6
2005–06 82* 82* 35.8 .463 .185 .738 4.3 8.2 1.3 .2 3.12 13.7
2006–07 23 23 35.7 .472 .250 .729 4.5 9.1 1.6 .2 3.04 13.0
PHI 57 56 37.6 .464 .053 .808 4.4 7.3 1.3 .1 2.67 13.6
2007–08 82* 82* 36.8 .492 .088 .772 4.0 6.9 1.3 .1 2.51 17.0
2008–09 82* 82* 36.3 .473 .283 .826 4.5 6.5 1.3 .2 2.43 16.3
2009–10 POR 82* 66 30.5 .445 .200 .821 3.2 5.4 1.1 .1 2.7 14.0
2010–11 81 81 32.7 .460 .108 .853 3.7 7.0 1.4 .1 2.1 12.7
2011–12 DEN 66* 7 27.4 .438 .217 .811 3.3 6.7 1.0 .1 1.1 9.7
2012–13 82* 11 26.2 .479 .266 .840 2.9 5.9 .9 .1 1.1 9.6
2013–14 30 2 19.0 .458 .500 .745 2.4 3.3 .5 .2 1.0 5.9
WAS 28 0 14.7 .460 .667 .833 2.0 3.5 .7 .1 1.3 3.8
2014–15 51 0 12.4 .542 .125 .718 1.5 2.8 .3 .0 .9 3.6
SAC 30 0 20.7 .459 .231 .789 2.5 4.7 .6 .1 1.9 5.7
2015–16 MIN 26 0 10.8 .621 .250 .789 .9 2.2 .3 .0 1.0 3.4
SAS 13 4 13.9 .479 .250 .692 2.1 2.2 .5 .0 .9 4.3
通算 1,304 939 30.9 .461 .217 .807 3.7 6.5 1.2 .2 2.4 12.5
  • 2011–2012シーズンは66試合で打ち切り

プレーオフ

シーズン チーム GP GS MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG TO PPG
2004 DEN 5 5 34.8 .472 .000 .818 4.6 3.2 1.6 .0 2.00 15.4
2005 5 5 36.8 .424 .500 .719 5.2 5.2 2.0 .2 2.40 16.2
2006 5 5 36.4 .442 .000 .824 4.4 7.2 1.0 .2 3.20 16.4
2007 PHI 6 6 38.2 .438 .000 .636 3.2 3.3 .8 .0 2.33 15.3
2008 6 6 43.0 .475 .300 .824 6.3 5.3 1.2 .2 3.17 21.2
2009 6 6 43.0 .475 .300 .824 6.3 5.3 1.2 .2 2.7 21.2
2010 POR 6 6 35.0 .405 .429 .775 3.2 6.0 1.2 .2 3.3 15.7
2011 6 6 32.3 .493 .400 .792 3.2 5.5 .3 .0 2.4 14.8
2012 DEN 7 0 28.6 .425 .571 .867 5.6 6.0 1.3 .1 3.1 11.3
2013 6 0 25.7 .420 .455 .778 3.3 3.8 .3 .0 3.7 14.0
2014 WAS 11 0 9.8 .463 .333 .556 1.0 .8 .2 .0 2.7 4.0
2016 SAS 5 0 7.0 .429 .333 1.000 1.0 1.4 .0 .0 .0 1.8
通算 68 39 28.4 .446 .383 .768 3.7 4.3 .9 .1 2.1 12.6

業績

  • キャリア通算平均7.6アシストは、NBA歴代13位タイである。
  • 2001-02シーズンはリーグトップの平均10.9アシスト。
  • キャリア通算で7回のトリプル・ダブルを記録している。
  • 1999-2000シーズン、オールルーキーファーストチームに選出された。

脚注

  1. ^ The Professor Joins The Spurs”. NBA.com (2016年3月1日). 2016年3月6日閲覧。
  2. ^ The Journey of Andre Miller, Point Guard (part 1)
  3. ^ Andre Miller Stats, Video, Bio, Profile
  4. ^ 2002 USA Basketball[リンク切れ]
  5. ^ Cavaliers deal Andre Miller to Clippers”. Cbc.ca. 2014年2月11日閲覧。
  6. ^ ESPN - Miller, Smith go to Sixers in deal for Iverson - NBA”. Sports.espn.go.com (2006年12月20日). 2014年2月11日閲覧。
  7. ^ Sources: Miller's deal worth $21M”. ESPN.com (2009年7月24日). 2009年7月25日閲覧。
  8. ^ “Trail Blazers Sign Andre Miller” (Press release). Portland Trail Blazers. 24 July 2009. 2009年7月24日閲覧.
  9. ^ Nuggets re-sign free agent point guard Andre Miller”. NBA.com (2012年7月11日). 2012年7月11日閲覧。
  10. ^ WIZARDS ACQUIRE ANDRE MILLER
  11. ^ Kings Acquire Andre Miller”. NBA.com (2015年2月19日). 2015年2月19日閲覧。
  12. ^ Timberwolves Sign Andre Miller”. NBA.com (2015年8月3日). 2015年8月3日閲覧。
  13. ^ SPURS SIGN ANDRE MILLER”. NBA.com (2016年2月29日). 2016年3月1日閲覧。
  14. ^ Andre Miller signing with Spurs
  15. ^ Andre Miller Might Be The Most Underrated Point Guard Ever”. AirAloma. 2022年1月24日閲覧。

外部リンク





固有名詞の分類

アメリカ合衆国の男子バスケットボール選手 ラリー・ヒューズ  モーリス・チークス  アンドレ・ミラー  ケニー・トーマス  ニック・アンダーソン
アメリカ合衆国のバスケットボール選手 ラリー・ヒューズ  モーリス・チークス  アンドレ・ミラー  ケニー・トーマス  ストロマイル・スウィフト
フィラデルフィア・セブンティシクサーズの選手 ラリー・ヒューズ  モーリス・チークス  アンドレ・ミラー  ケニー・トーマス  フランシスコ・エルソン
クリーブランド・キャバリアーズの選手 ジョニー・ニューマン  ラリー・ヒューズ  アンドレ・ミラー  ジェイソン・カポノ  ショーン・ケンプ
ポートランド・トレイルブレイザーズの選手 ビル・ウォルトン  レニー・ウィルケンズ  アンドレ・ミラー  ショーン・ケンプ  シドニー・ウィックス
デンバー・ナゲッツの選手 アレン・アイバーソン  ジョニー・ニューマン  アンドレ・ミラー  フランシスコ・エルソン  チェイック・サム
ロサンゼルス・クリッパーズの選手 クリス・ウィルコックス  マイク・フェルプス  アンドレ・ミラー  チェイック・サム  ダグ・クリスティ

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