アンドラの共同公とは? わかりやすく解説

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アンドラの共同公

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/31 17:04 UTC 版)

アンドラ公国
アンドラの共同公
カタルーニャ語: Co-Príncep d'Andorra
フランス語: Co-Prince d'Andorre
スペイン語: Co-Príncipes de Andorra
在位中のアンドラの共同公
ウルヘル司教
ジョゼップ=ルイス・セラーノ・ペンティナト英語版

2025年5月31日より
共同君主
フランス大統領
エマニュエル・マクロン

2017年5月14日より
詳細
敬称 Monsignor
猊下、ウルヘル司教)
Excellency
閣下、フランス大統領)[1]
初代 ペール・ドゥルツ英語版
ロジェ=ベルナール3世 (フォワ伯)英語版
成立 1278年
宮殿 ラ・セ・ウドゥルジェイ大聖堂英語版スペイン
エリゼ宮フランス
任命権者 ローマ教皇(ウルヘル司教・終身)
フランス市民(フランス大統領・5年)
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アンドラの共同公(あんどらのきょうどうこう、カタルーニャ語: Coprínceps d'Andorra)は、アンドラ公国の共同国家元首。アンドラ公国は共同君主制英語版を敷いており、ウルヘル司教フランス大統領がこの地位に就いている。

歴史

アンドラは9世紀にウルヘル伯領英語版が設置されたことを起源とする[2]。839年にウルヘル司教はアンドラへの教権行使を認められ、やがて世俗的な権力も持つようになっていった。またウルヘル司教は地元の豪族に権利を分け与えたが、フォワ伯英語版がやがてそれを継承するようになる。両者はアンドラの統治権をめぐって対立するようになったが、1278年に徴税・裁判・徴兵といった封建領主権を共有する対等の領主とする宗主契約が成立した[2]

フォワ伯の請求権は、1479年ナバラ王が継承し、1589年以降はフランス革命までフランス国王が継承した[2]フランス革命期には関係が断絶したものの、以降はフランスの国家元首がウルヘル司教と共に共同公の地位にある。

権限

アンドラでは700年にわたり伝統的な支配体制が続いていた。1982年に立法と行政が分離され、首相が初めて設置された。1993年には国民主権・議会制民主主義を定めた憲法が成立し、共同公には象徴的な権利のみが残される形となっている[3]

共同公は総選挙・国民投票の公示などの形式的な権限を行使するが、首相または総評議会議長の副署が必要とされる。一方で、法律や条約の違憲性について憲法裁判所に事前審査を要求することができるなど独自の権限も保有している[4]

共同公は本来の職務の都合上在国することはほとんどなく、アンドラにおける自らの代理人を任命することができるとされる[4]

日本語表記

元首の肩書について定訳はなく、日本外務省は「国家元首」[1]。辞典類では「共同元首」「共同君主」[5]などが使用されている。

脚注

出典

  1. ^ a b 各国の元首名等一覧表”. 外務省. 2023年7月6日閲覧。
  2. ^ a b c 遠藤誠 2016, p. 1.
  3. ^ 遠藤誠 2016, p. 1、3.
  4. ^ a b 遠藤誠 2016, p. 3.
  5. ^ アンドラ」『百科事典マイペディア、精選版日本国語大辞典、世界大百科事典』https://kotobank.jp/word/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9コトバンクより2023年7月6日閲覧 

参考文献

関連項目




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