アレクサンダー・ペダチェンコ
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「切り裂きジャックと疑われた者たち」の記事における「アレクサンダー・ペダチェンコ」の解説
アレクサンダー・ペダチェンコ(Alexander Pedachenko、1857年 - 1908年とされる)は、1923年に出版されたウィリアム・ル・キューの回想録『Things I Know about Kings, Celebrities and Crooks』に登場する人物。ラスプーチンが書いたフランス語の文章を見たというル・キューは、そこに切り裂きジャックの正体はアレクサンダー・ペダチェンコという医師かつオクラナ(帝政ロシアの秘密警察)のエージェントであったロシア人の狂人と書かれていたといい、スコットランドヤードの信用を落とすために事件を起こしたとされる。また、ペダチェンコには2人の共犯者、「レヴィツキー(Levitski)」と「ウィンバーグ(Winberg)」と呼ばれる女仕立て屋がいたという。しかし、ペダチェンコが実在したという確たる証拠はなく、ル・キューの語った物語の多くの部分もよく調べれば破綻している。例えば原稿に書かれている情報源の一つはロンドン在住のロシア人記者「ニドロエスト」だが、彼はセンセーショナルな話を捏造することで有名だった。ル・キューの本の批判者たちは、ニドロエストのことを知っており、彼を平然と「無節操な嘘つき(unscrupulous liar)」と評した。ドナルド・マコーミックもまたペダチェンコを容疑者候補の一人に挙げているが、自分の創作を加えて物語をより膨らませた可能性がある。
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