アルドール反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/13 19:12 UTC 版)
キラルなアシルオキサゾリジノンは、不斉アルドール反応において最も幅広く用いられている。 ルイス酸であるジブチルボロントリフラートと塩基であるN,N-ジイソプロピルエチルアミンを用いた穏やかなエノラート化によって、Z体のホウ素エノラートが生成する。ここに、基質としてアルデヒドを加えると、ジアステレオ選択的なアルドール反応が起きる。本反応は2つの不斉中心を同時に構築できるため、非常に強力な反応であると言える。 本反応の立体選択性に関するモデルを以下に示す。六員環遷移状態(Zimmerman–Traxler遷移状態)において、メチル基とアルデヒドの置換基部分がシンの関係になる。アルデヒドがこのような近づき方をするのは、六員環遷移状態においてアルデヒドの置換基部分とオキサゾリジノン環との1,3-ジアキシアル相互作用を避けるためである。2つの不斉中心の立体化学は、不斉補助剤のキラリティーによってコントロールされる。遷移状態において、不斉補助剤であるオキサゾリジノンのカルボニル酸素とエノラートの酸素は、電子的な反発のために逆方向を向いた配座をとる。そのため、オキサゾリジノンの置換基によってエノラートの片方の面が遮蔽された状態にあり、エナンチオ選択性が発現する要因となる。
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