交差アルドール反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 00:48 UTC 版)
「アルドール反応」の記事における「交差アルドール反応」の解説
異なる2種のアルデヒドまたはケトンの間でアルドール反応を行う場合には特に交差アルドール反応(こうさ-はんのう、Cross aldol reaction)と呼ぶ。この場合、単純に2種類のカルボニル化合物を混ぜておいて触媒を添加すると、それぞれのアルデヒドまたはケトンからエノラートアニオンが生成し、それぞれのアルデヒドまたはケトンに付加するので多種類の生成物が得られてきてしまう。 このような場合にはリチウムジイソプロピルアミドのような強塩基中に低温下でエノラートに変換したいカルボニル化合物を滴下して完全にエノラートに変換した後、付加させたいカルボニル化合物を滴下してアルドール反応を起こす方法やエノラートに変換する代わりに2級アミンと縮合させてエナミンとし、これをエノラートの代わりにして反応させた後、アミンを脱離させる方法などが用いられる。エステルやアミドをアルデヒドやケトンに付加させるアルドール反応を行う場合、アルデヒドやケトンのカルボニル基のα位に水素があるとアルデヒドやケトンの酸性度がエステルやアミドの酸性度よりも高いためにアルデヒドやケトンの方から優先的にエノラートが発生してアルドール反応を起こしてしまう。そのため、この場合も上記と同様にリチウムジイソプロピルアミド(LDA)のような強塩基中に低温下でエステルやアミドを滴下して完全にエノラートに変換した後にアルデヒドやケトンを加える必要がある。 最近では、安全・安価で、なおかつ不斉点の制御をほぼ完全に行える触媒としてプロリンが注目を集めている。
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