アファイン多様体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 14:58 UTC 版)
まずアファイン空間 A n {\displaystyle \mathbb {A} ^{n}} に位相を定義する。 A n {\displaystyle \mathbb {A} ^{n}} は集合としては単に k 上の n 次元ベクトル空間である。位相は(開集合系でなく)閉集合系によって定める。閉集合系は、 A n {\displaystyle \mathbb {A} ^{n}} のすべての代数的集合と定める。つまり、閉集合は V ( S ) = { x ∈ A n ∣ f ( x ) = 0 , ∀ f ∈ S } {\displaystyle V(S)=\{x\in \mathbb {A} ^{n}\mid f(x)=0,\;\forall f\in S\}} の形の集合である。ただし S は k 上の n 変数多項式からなる任意の集合である。以下の性質は直ちに確かめられる。 V(S) = V((S)), ただし (S) は S の元全体によって生成されたイデアル。 多項式の任意の2つのイデアル I, J に対し、 V ( I ) ∪ V ( J ) = V ( I J ) ; {\displaystyle V(I)\cup V(J)\,=\,V(IJ);} V ( I ) ∩ V ( J ) = V ( I + J ) . {\displaystyle V(I)\cap V(J)\,=\,V(I+J).} これらの性質より、V(S) の形の集合の有限和や任意交叉もこの形の集合であるから、この形の集合の全体を閉集合系とすることにより位相が定まる。これが A n {\displaystyle \mathbb {A} ^{n}} 上のザリスキ位相である。 X がアファイン代数的集合であれば(既約であってもなくても、その上のザリスキ位相は単純に、ある A n {\displaystyle \mathbb {A} ^{n}} への包含から誘導される相対位相と定義される。あるいは同じことだが、以下のことを証明できる。 アファイン座標環 A ( X ) = k [ x 1 , … , x n ] / I ( X ) {\displaystyle A(X)\,=\,k[x_{1},\dots ,x_{n}]/I(X)} の元は( k [ x 1 , … , x n ] {\displaystyle k[x_{1},\dots ,x_{n}]} の元が A n {\displaystyle \mathbb {A} ^{n}} 上の関数として振る舞うのとちょうど同じように)X 上の関数として振る舞う。 多項式からなる任意の集合 S に対し、T をその A(X) における像全体からなる集合とすると、X の部分集合 V ′ ( T ) = { x ∈ X ∣ f ( x ) = 0 , ∀ f ∈ T } {\displaystyle V'(T)=\{x\in X\mid f(x)=0,\;\forall f\in T\}} は V(S) の X との共通部分に等しい。(これらの記法は標準的というわけではない。) これによって、上の式(明らかに以前の式の一般化である)は任意のアファイン多様体上のザリスキ位相を定義している。
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